りんごは健康によいフルーツで、「一日ひとつのりんごが医者を遠ざける」と言われます。りんごダイエットも有名ですが、夜寝る前のリンゴは太るというのは本当なのでしょうか。りんごのカロリーとりんごを食べる時間帯について見てみましょう。
りんごのカロリーと糖質
りんごは低カロリーで栄養価の高いフルーツです。りんごの標準的なカロリーや糖質はどれくらいなのでしょうか。
りんごのカロリー
文部科学省の食品成分データベースによれば、皮付きりんごの可食部100gあたり56kcalとされています。中くらいのりんご1つ(約250g)ならば約140kcalです。
目安として、ご飯茶碗1杯150gが252kcal、食パン1枚(60g)が156kcal、バナナ1本(90g)が86kcal、ポテトチップス1袋60gが330kcalです。100gあたりのカロリーを比べると、りんごがもっとも低くなっています。
りんご (中・250g) | ごはん (普通盛・150g) | 食パン (6枚切1枚・60g) | バナナ (1本・90g) | ポテトチップス (1袋・60g) | |
カロリー(kcal) | 140 | 234 | 148.8 | 83.7 | 324.6 |
100gあたりのカロリー | 56 | 156 | 248 | 93 | 541 |
ちょっとお腹が空いて何か食べたくなってしまった、というときでも、お茶漬けやパン、お菓子などを食べるより、りんごを1つ食べるほうがカロリーが抑えられることになります。りんご半分ならバナナよりもカロリーが少ないことになります。
りんごの糖質
糖質をみると、皮付きりんごの可食部100gには12.9gの糖質が含まれています。中くらいのりんご1つ(250g)ならば、約32.3gです。
目安として、ご飯茶碗1杯150gは55.2g、食パン1枚(60g)が28.9g、バナナ1本(90g)が17.5g、ポテトチップス1袋60gが30.3gです。100gあたりでは、糖質についてもりんごがもっとも低い値になっています。とはいえ、中くらいのりんご1つでポテトチップス1袋とほぼ同じくらいの糖質を含んでいます。低糖質とはいっても、食べる量は注意が必要です。
りんご (中・250g) | ごはん (普通盛・150g) | 食パン (6枚切1枚・60g) | バナナ (1本・90g) | ポテトチップス (1袋・60g) | |
糖質(g) | 32.3 | 55.7 | 27.8 | 20.3 | 32.8 |
100gあたりの糖質 | 12.9 | 37.1 | 46.4 | 22.5 | 54.7 |
参考までにフルーツ100gで比較すると、りんごはバナナやぶどうに次いで、糖質が多めのフルーツといえます。食べすぎや食べる時間帯に注意する必要がありそうです。
りんご | バナナ | いちご | グレープフルーツ | スイカ | パイナップル | ぶどう | |
100gあたりの糖質 | 12.9 | 22.5 | 8.5 | 9.6 | 9.5 | 13.7 | 15.7 |
100gあたりカロリーも糖質もりんごがベスト
100gあたりの数値を比較すると、ごはんや食パンなどの炭水化物やポテトチップスよりも、りんごは圧倒的に低カロリー、低糖質であるといえます。
食事の置き換えやおやつの代わりにりんごを食べるのは大きくカロリーオフ、糖質オフが叶えられます。
また、りんごを食べすぎて多少カロリーや糖質を多少オーバーしてしまったとしても、後に述べるりんごの栄養素の効果が大きいので、ごはんやお菓子を食べすぎるのとは訳が違います。
もっとりんごを食べよう
厚生労働省と農林水産省が共同で策定した「食事バランスガイド」では1日あたり200gを目安にフルーツを食べることを推奨しています。また、厚生労働省の「健康日本21」では、2022年までに1日の果実摂取量を100g未満の者の割合を30%にすることを目標としています。
1人1日あたりのフルーツ消費量を見ると、日本は世界的にもアジア平均と比べても低く、がんや成人病の発生とも関わりがあるという研究報告もあります。積極的にフルーツをとることはダイエットだけでなく、健康向上にも効果があります。りんごなら、一日に半分食べるだけで、フルーツ100g以上摂取できます。ぜひ習慣にしましょう。
りんごに含まれる栄養素
健康によいと言われるりんごですが、具体的にどんな栄養素が入っていて、どんな効果があるのでしょうか。りんごの成分と栄養を見てみましょう。
- カリウム
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細胞の浸透圧を維持するはたらきがあり、身体の余分な水分の排出を促します。これによりむくみを防ぎ、高血圧を防ぎます。
- ビタミンC
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皮膚や細胞のコラーゲンを生成するのに不可欠な栄養素です。しわやシミの原因となる活性酸素を抑え、美肌を保ちます。また免疫力を高め、風邪などの予防にも。
- 食物繊維(ペクチン、セルロース)
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水溶性食物繊維のペクチンは水に溶けるとゼリー状になり、体内の不純物や有害物をからめとり、排出を促します。便秘時にお通じを促し、下痢のときは腸壁を守る役割もあります。
- セルロース
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不溶性食物繊維のセルロースは便の量を増やし、腸の役割を活発にします。食物繊維は水溶性と不溶性をあわせてとるのが効果的といわれており、ペクチンとセルロースを含むりんごはお通じに働きかける効果があります。
- りんごポリフェノール(プロシアニジン)
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りんごに含まれるポリフェノールの主成分であるプロシアニジンは、脂肪細胞に影響をおよぼす酵素の発現を促し、内臓脂肪の蓄積を抑制します。また、ポリフェノールには抗酸化作用があり、血液中の脂質の酸化作用を抑制します。
りんごに含まれる栄養は、体内にある不要なものを排出したり、酸化を防ぐなど、健康、美容、アンチエイジング、ダイエットサポートにぴったりといえます。
りんごダイエットとは
「りんごダイエット」というダイエット方法を聞いたことがある方もいることでしょう。りんごは低カロリーで、食べると満足感もあり、食物繊維、カリウムなどダイエットに効果のある栄養素を含んでいます。
りんごダイエットと言っても、さまざまな方法があります。
- 朝食をりんごに置き換える
- 間食をりんごにする
- 夕食をりんごに置き換える
- 3日間りんごしか食べない
などさまざまなパターンがあります。いずれのパターンも、日頃食べている食事やおやつを、比較的低カロリーで食べたときに満足感があるりんごに置き換えることで摂取カロリーを低くし、体重減少をめざすダイエットです。
夜のリンゴは太るのか
食事をりんごに置き換えるパターンもありますが、夜寝る前にりんごを食べるスタイルにするとダイエット効果はどうなのでしょうか。食べる時間帯で効果は変わるのでしょうか。
夜りんごを食べるメリット
夕食をりんごに置き換えること自体は、カロリーを減らすよい方法といえます。さらに、りんごの栄養素が睡眠の助けになるというプラス面もあります。りんごの中に含まれるカリウムが血液の循環を助けるため睡眠を助長したり、りんごが含んでいる豊富な水分が睡眠導入の助けになるとも言われています。
夜りんごを食べるデメリット
就寝前の食事は2〜3時間前が理想と言われています。りんごに限らず、ダイエットを考えるのであれば、眠る直前の時間帯に食事をとる習慣は見直す必要があるでしょう。りんごも夜食べると、りんごに含まれる糖分(果糖)が消費されずにそのまま中性脂肪になる可能性が高くなります。
おなかがすいて眠れないときやどうしても夕食が遅くなってしまったときなど、りんごを適量食べることでカロリー減とスムーズな睡眠への導入を図ることができます。しかし、食べる時間帯と量には注意しましょう。
寝る前のリンゴが毒と言われる理由
韓国では「夜のりんごは毒」という表現があるといわれています。なぜ、夜のりんごはよくないとされているのでしょうか。
夜眠っている間に、りんごの栄養分である食物繊維のペクチンが胃に負担をかけたり、りんごに含まれる酸によって胃のpHが高くなることが理由とされています。
夜になると筋肉の収縮と胃の活動がゆっくりになります。そのため、食物繊維の多いものは消化に時間がかかったり、酸性の食べ物は胃液の逆流につながるなど、夜の時間帯は胃への負担が大きくなります。よい睡眠につなげるためにも、りんごは日中や、夕方の早い時間帯に食べるほうが好ましいと言えます。
朝りんごの効果
りんごは夜ではなく、朝のうちに食べることで、含まれる栄養やカロリーをきちんとダイエットに活かすことができます。朝にりんごを食べるとどんな効果がみられるのか、まとめてみました。
一日をスムーズにスタートする
りんごに含まれる果糖は身体への吸収が早く、眠りから覚めたばかりの脳や身体をスムーズに動かす助けとなります。血糖値の上昇をゆるやかにするだけでなく、睡眠中に失われた糖分を朝の早い時間に効率よく摂取することで、活力ある一日のスタートにつながります。また、りんごのもつ香りや色が、慌ただしい朝にもゆとりを与えてくれます。
朝のデトックスの時間にピッタリ
朝は排泄や体内浄化にぴったりの時間帯です。りんごに含まれるセルロースとペクチンによってお通じが改善するためダイエット効果が期待できます。朝のうちに生のりんごを食べると、生のりんごに含まれる酵素が消化機能に働きかけます。これにより排便リズムが整い、痩せやすい身体づくりに効果があります。
口腔ケアにも効果あり
りんごポリフェノールは虫歯菌が出す酵素を阻害する働きがあります。りんごを食べると歯垢がつきにくくなり、虫歯の発生を防ぐ効果が期待できます。さらに口の中の食べかすを細菌が分解したときに発生するにおいを抑える効果もあり、口臭予防にも。朝のうちにりんごを食べることで、歯垢付着や口臭予防にも効果が期待できます。
朝食りんごの効果的な食べ方
朝にりんごを食べる場合にはどんなことに注意したらよいのでしょう。りんごのもつダイエットに効果のある栄養素をしっかり摂るための食べ方をご紹介しまsう。
皮付きで食べる
りんごの栄養素は果肉部分より皮のほうに食物繊維、ビタミンCが詰まっています。皮や皮の下にはりんごポリフェノールが多く含まれています。ぜひ皮ごと食べて、栄養をしっかりとりましょう。
さらに生のりんごを皮ごと食べると、歯肉が丈夫になり、噛むことで唾液の分泌がふえ、虫歯や歯肉炎の予防ができるといううれしい効果も。皮ごと食べるのが苦手だという方も、小さく切ったり、皮ごとすりおろしたりすると、おいしく摂ることができます。
加熱して食べる
りんごのペクチンは100度以上で加熱すると6〜9倍に増えることがわかっています。りんごのコンポートやアップルパイなどを食べたり、電子レンジなどを活用して手軽にりんごを加熱して食べるとペクチンの効果が上がります。生で食べるのに飽きてしまったり、量が食べにくいときにも、火を通してホットりんごにするのもよいでしょう。
ヨーグルトと一緒に食べる
朝起きたとき、食欲がなかったり、時間がなかったりして、朝食を軽く済ませたいというときもあります。
朝の行動力低下を防ぐために、糖質を補給するりんごを朝食にとるのは有効です。りんごにはビタミン、糖質、カリウムなどは含まれていますが、一緒にヨーグルトを食べると身体を構成するタンパク質もとれるので、栄養バランスも簡単に整えられます。
1日あたり半分〜1個のりんごを食べる
りんご中くらいを半分食べれば健康の目安となるフルーツ摂取量100gを越えることになります。りんごの効果を感じたい人はぜひ朝に食べましょう。フルーツを食べる習慣のない人でも、まずは朝のりんご半分から始めると食生活の改善になり、健康面・美容面でも効果的に栄養がとれます。食べにくいと感じる場合は、小さく切ったり、すりおろしたり、ミキサーでスムージーにしたりすると、食べやすくなります。
朝りんごダイエットの口コミ
朝りんごを食べるダイエットをしている人の感想や口コミを見てみると、りんごの栄養や健康効果は広く知られているようです。Twitterから経験者の声を拾ってみました。
本当だった朝のりんごは医者知らず
ことわざどおり朝のりんごは健康につながります。より健康的な食生活になることで、栄養や体内環境もバランスのとれた状態を保つことができ、自然と無駄な脂肪がおちていきます。
りんごの食物繊維が効果的
りんごダイエットというものが
— 翔くん@無添加 (@mutenkashokun) January 26, 2021
ありますがこれはダイエットにも
いいのですが実は体の健康にもいいんです
りんごダイエットはリンゴと水
だけを飲むのでりんごの繊維により
腸内に溜まっている
悪いものを出してくれるので
食品添加物など悪いものを
食べている人はやった方がいいんですよね
りんごが含んでいる食物繊維は、水溶性と不溶性の2種類が含まれています。
これらにより便をやわらかくし、また、下痢ならば腸壁を守る働きがあります。りんごの繊維をたっぷり摂取するには皮ごと食べるとばっちりです。
美白効果も期待
ちょっと太ってしまったのでこれからりんごダイエットしようと思います。毎日1日一個食べます。
— プーさん (@puu_23) June 19, 2020
りんごは美白効果にもいいみたいだからオススメ!! pic.twitter.com/cl4vwfpBcS
りんごのカリウムは、体の中にある余分な塩分の排出を促し、むくみの原因を取り除きます。りんごポリフェノールには、細胞の障害をケアする役割や美白作用があります。さらにビタミンCがコラーゲンの生成を助け、美肌に効果があります。きれいにやせたい人にはりんごは理想的な食品といえます。
夜中にリンゴが食べたくなった時におすすめのメニュー
夜よりも朝のりんごのほうがダイエットにはよいとわかっていても、帰宅が遅くなってしまったときや、夜どうしてもお腹がすいてしまって眠れないときなど、太りにくく、できるだけ体の負担にならないように、りんごを食べる方法はあるのでしょうか。栄養面、消化の面からおすすめメニューをご紹介します。
りんごチーズ
食べやすい大きさにスライスしたりんごにお好みのチーズをのせて、カナッペ風にします。さらにジャムやマーマレードなどをトッピングすると見た目もリッチに。少量でも空腹が満たされるので、食べ過ぎを避けたい夜にはおすすめのメニューです。チーズにはタンパク質やカルシウムなどが豊富に含まれておりフルーツと一緒にとると栄養バランスがよくなるだけでなく、疲労の回復を見込めるビタミンAも含まれています。カッテージチーズやリコッタチーズなら100gあたり100~170kcalとカロリーも抑えられます。
オートミールとりんごの温かいお粥
りんご半分を角切りし、オートミール、牛乳、お水と一緒に耐熱容器に入れ、電子レンジで2分ほどチンすると、温かいお粥のできあがりです。体を温めるシナモンをふりかけたり、ナッツやドライフルーツをトッピングしておいしく食べることが可能です。朝食でおなじみのオートミールですが、食物繊維、タンパク質、ミネラルを豊富に含みます。温かいミルク粥で消化によく胃に優しく食べましょう。
電子レンジでホットりんご
りんごを適当な大きさに切り、レンジで温めることで、あっという間に簡単なおやつになります。電子レンジでなら少量でも作れて、時間も手間もかかりません。白ワインやグラニュー糖をかけてコンポート風にしたり、食べるときにココアパウダーやシナモンをかけたり、レーズンをあわせたり、アレンジもいろいろできるメニューです。夜食として低カロリーであたたかいものを食べることで満足感が高まり、よい睡眠へとつながります。
りんご生姜入りホットミルク
ホットミルクは自律神経を整え、リラックス効果があり、安眠へと導きます。りんご4分の1、生姜ひとかけをすりおろし、加熱したものをホットミルクに混ぜると、お腹のなかから身体が温まり、空腹感もやわらぎます。はちみつやハーブなどを加えてもおいしくなります。
りんごはいつ食べる?
りんごを食事と置き換えるのはカロリーを減らすためには有効です。健康的なダイエットを実現するためには、りんごを乳製品など他の食品と組み合わせて栄養のバランスをとりましょう。
さらに、りんごのもつ豊かな栄養素と美容効果を最大限活用するには、ぜひりんごを食べる時間は朝にしましょう。
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