炭火焼きと言えば、自宅で行うイメージは少ないかと思います。
炭火を使うのは難しそう、どうすれば良いか分からない、後始末が大変そうなどイメージはさまざまだと思います。
しかし、炭火焼きは独特の香り、遠赤外線効果もあり、おいしく仕上がります。
また、お店で食べるような本格的な料理を自宅で作ることも可能。
注意点を挙げるとすれば、煙の換気をしっかり行うこと、そして必ず消火を行うことです。
では、炭火のメリット、自宅で行う場合の注意点、必要なものなどを確認しましょう。
自宅で炭火を使って料理をしてみよう
自宅で炭火焼きを行う、炭火で調理すると決断するのは最初は難しいかもしれません。
特にこれから機材をそろえる人にとっては、かなりハードルの高いかも知れません。
ですが、実は自宅で炭火焼きを行うのは準備をしっかりすれば簡単、しかもお店で食べるようなおいしさと特別感を生みます。
例えば炭火を使えば自宅に居ながら、焼肉、焼き鳥などの肉類、うなぎや干物などの魚類、バーベキューでは野菜類も本格的な味を楽しめます。
ぜひ自宅で、自分に合った方法を見付けてみましょう。
炭火焼のメリット
炭火焼きのメリットはこんなにあります
- 熱量が大きいためこんがり焼ける(電気ヒーターと比べて熱量は3~10倍ほど大きい)
- 炎と違い風の影響を受けない
- 遠赤外線でムラなくパリッとジューシーに仕上がる
- 炭火焼き独特の香ばしい香りがつく
- 暖を取りながら調理、食事ができる
自宅で炭火焼するときに必要なもの
自宅で炭火焼きを行う場合、まずは何が必要でしょうか。1つずつ確認してきましょう。
七輪
七輪はバーベキューコンロより安価で購入でき、室内でも屋外でも使用できます。
また、大きく分けて3種類、形も「丸」、「四角」、「長方形」、そしてサイズもざまざまです。
七輪は3種類に分かれます。
- 切り出し七輪
- 練り物七輪
- 金属製七輪
切り出し七輪
メリットとデメリットは下記のとおりです。
メリット
- 耐久性が高い
- 断熱性が高い
- 軽量
デメリット
- 価格が高価(練り物七輪と比べると3~5倍ほど)
- 湿気で崩れてしまう可能性

練り物七輪
メリット
- 安価なこと
デメリット
- 耐久性が低いことです。
金属製七輪
最近登場し、七輪の特性を引き継ぎつつ、金属の特性である軽さ、頑丈さを活かしています。
形によって特性や向いていることが異なります。
金属製七輪丸型タイプ
同じ丸型形状のフライパンやナベなどを乗せた時に安定し、熱効率も良いです。
屋内や卓上に設置する場合も広いスペースが不要なため、使用スペースの中で効率よく場所を使用できます。
金属製七輪長方形など四角タイプ
丸型タイプに比べて場所を取りますが、燃料の位置を移動させることができます。
片方は木炭を多くして強火に、反対側は木炭を減らして弱火にと火力調整ができ、焼き面も広いためさまざまな食材を同時に焼くことができます。
七輪を選ぶ場合、どのタイプが自分に合っているか、何人で利用するのか、そして卓上で使用するのであれば七輪の高さも確認して購入しましょう。

焼き網
焼き網付きの七輪を購入するのが1番確実と言えるでしょう。
しかし付属されていない物もあるため、サイズをしっかり確認して購入しましょう。
大きすぎると不安定に、小さすぎると下に落ちてしまいます。
通販で購入すると高いため、100均で替え網を購入するのがおすすめ。
筆者はいつも炭火用の網はダイソーで購入しています。
ガストーチバーナー
炭に火をつける際に必ず使うのがガストーチバーナーです。
点火スイッチのみで炎が出るため、女性でも簡単に使用できます。
着火剤は火の付きが良すぎるため、室内では使用しない方が良いです。
取り付け式ガストーチ
ガスボンベにガストーチを取り付けるものは火力が強くて炭に火をつける際にとても役立ちます。
しかしガスボンベを別途用意しなければならないというデメリットがあります。
筆者はこちらのガストーチを使用しています。

スライドガストーチ
スライドさせるだけで高い火力を出すことができるスライドガストーチがあります。
こちらはとてもコンパクト。
ガスがなくなったら、ガスボンベから注入する事ができるので、繰り返し使用する事ができます。
両者の違いはサイズが
- 大きくて火力が強いか
- コンパクトで軽いが少し火力が弱いか
の違いです。
スライドガストーチの方が価格は高いです。
ガストーチバーナーは取り扱いに注意が必要
- 子供の手が届かないところに保管する
- 着火後は着火口がかなり熱くなるため触らないようにする
- ガスを使い切ったら地域の分別、回収方法に合わせて処分する
ガスボンベはどのメーカーも規格を基準に作られているため、品質に違いはありません。
しかし、若干ながらメーカーによってサイズがミリ違うこともあるらしいです。
そのためわずかな隙間が生じガス漏れなどが起こるらしいとの事。
しかし筆者の場合は100均でガスボンベを購入するか、通販で一番安いものをその都度購入していますが何も問題はありません。
木炭
七輪で使用する木炭は少量で十分です。
木炭は使い終わった後口をしっかり閉めずに長期間放置すると、木炭が湿気を吸ってしまい着火しにくくなってしまいます。

火ばさみ
火ばさみはなければ炭火焼ができない、というわけではありませんが、木炭を積む、移動させる際に使用します。
手が汚れないので便利。
また、焼き終わった後の消化時も火ばさみが活躍します。詳しくは後述しています。

自宅炭火焼のレシピ
では、自宅で炭火焼きをする場合のおすすめメニューを見ていきましょう。
焼肉・バーベキュー
自宅で炭火焼きを行う定番とも言えるメニューは焼肉、バーベキューです。
少人数から大人数まで、どのようなシチュエーションでも楽しむことができます。
焼肉、バーベキューの際は、野菜や肉などを焼くだけではもったいないです。
例えばさつまいもをアルミホイルで包み、バーベキューが終わった七輪に入れておきます。
これだけでじっくり熱が通った甘くてホクホクな焼き芋の完成です。
また、マシュマロを残り火で温めてスモアにして食べるのも良いでしょう。
個人的なおすすめは、七輪の網の上に岩塩プレートを乗せて岩塩焼きをする事です。
炭火焼きとは別の岩塩によって味つけされたお肉を食べることができるのでとてもおいしいです。

ステーキ
自宅用にステーキ肉を買ったならば、ぜひ炭火で焼きましょう。
炭火が香ばしい香りをつけ、外はパリッと中はジューシーに仕上がります。
焼き鳥
自宅ではなかなかお店のようにできない焼き鳥も、炭火で焼くことで一気に本格的になります。
自宅で炭火を使って焼き鳥はなかなか思いつかないかもしれませんが、きっと予想しているより簡単に、そして本格的にできます。
炭火を使ってグリルで焼くことで、自宅で普段と同じ肉を使ってもかなりお店の味に近づきます。
自宅とはいえより本格的にしたい人は、肉を地鶏に変えて、炭火を使って調理してみましょう。
お店の味を自宅で楽しむことができます。
炭火焼の始め方
では、実際に今から炭火焼きを始める際の注意点を確認しておきましょう。
火をつける前の注意点
まず、火をつけるのは屋外で行う方が良いでしょう。
なぜなら、火をつける際に火の粉が飛び散るため、周りがかなり汚れてしまうからです。
また、着火の際は煙もかなり出るため、火がついて落ち着いてから室内に持っていく工夫しましょう。
- 燃えやすいものはないか
- 風などで飛んできそうなものはないか
- 七輪を置いている場所は不安定ではないか
しっかり確認した後に着火作業に入りましょう。
火の付け方
火をつける際はガストーチバーナーを使うとかなり簡単に、手早く作業できます。
この時着火しやすいように隙間をつくりながら、七輪の7~8割程度で十分です。
網に木炭が触れることがないよう、高さにも気を付けながら入れましょう。
空気を取り入れるために重要なため、必ず開けてから始めましょう。
ガストーチバーナーを点火、七輪の下の方の木炭から火をつける。
ガスバーナー点火時は、近くに人がいないか確認しましょう。
木炭は上の方から燃えてしまうと下の木炭が燃えなくなるため、できるだけ下の方から火が付くよう意識しましょう。
下の木炭に火がついたら、上の木炭にも火をつける。
下の木炭に火がついたら上の木炭にも火が付きやすため、それほど時間はかかりません。
全体に火がついたら小窓の開閉具合を調整し、火力調整をする。
自宅で炭火焼を行う時の煙対策
自宅で炭火焼きを行う際、どうしても気になるのは煙。
では、自宅の室内で炭火焼きを行う際、どのように煙対策できるでしょうか。
換気と警報
自宅の室内で炭火を使う場合、コンロに乗せると良いでしょう。
コンロなら置いた際にしっかり安定し、熱くなっても問題ないのでおすすめ。
そして最大のメリットは、レンジフードなどで煙をしっかり換気できることです。
室内で行う場合は煙がこもりやすくなってしまいます。
例えば、ダイニングなどで使用するのも良いですが、この場合、煙は行き場がなくなって室内に充満してしまいます。
特に火災報知機など警報機がついている場合は、煙に反応して作動してしまう可能性があるため注意が必要です。
レンジフードの下で
レンジフードの下に七輪を置いた場合、風量は強や弱でなく、中にしましょう。
風量が強いと火力も上がってしまい、弱い場合は煙をしっかり排気できなくなってしまいます。
また、しっかり煙を排気させるために近くの窓を開け、排気と吸気のバランスを取り、より効率的に換気しましょう。
自宅で炭火焼を終えた後の残り火を活用
炭火焼きを終えた後の残り火は、ぜひ有効活用してください。
炭火のメリットとして余熱が長時間続くことです。
もちろんすぐに冷めないという面で、食後すぐに片付けできないというデメリットにもなっていますが、この余熱を上手に使いましょう。
焼きマシュマロ
自宅で炭火を使ってバーベキューをする時の醍醐味とも言えるマシュマロ。
クシなどに刺して、炭火の余熱に当ててゆっくりと焦げ目をつけましょう。
食後のデザートとしておいしい焼きマシュマロを、そして焼けるのを待つゆっくりとした時間を楽しみましょう。
次の日の弁当を作る
余熱とはいえ、しばらくの間は高温が続きますので、余熱を利用して翌日のお弁当を作ることもオススメ。
お弁当の味がいつもよりグレードアップして、お昼の時間が楽しみになります。
また、余熱でお湯を沸かす、フライパンで卵焼きを焼くなど、できることはさまざま。
自宅炭火焼は火の始末を忘れずに
炭火焼き後は、必ず消火をしましょう。
炭火なので勝手に火が消えますが、消化まで時間を要し、その場を離れるのは危険なためあまりお勧めできません。
消化方法は木炭を水に浸けて消火するのが一番安全。
木炭を水に浸けて消火する場合は、火ばさみを使用し、木炭を1個ずつ水に浸けていきましょう。
この際に注意すべきことは、食後すぐに行うわけではなく、少し時間が経って温度が下がってからが良いです。
温度が高すぎると、水温が急激に上がったり、その熱いお湯が飛び跳ねてやけどしてしまうかもしれません。
ちなみに消火の目安は
- 木炭の色は赤くない
- 手をかなり近づけても熱を感じない
- 半日以上経過している
などです。参考にしてみてください。
また、七輪自体の温度もすぐには下がらないため、手を触れないようにしましょう。
賃貸で炭火焼は可能?
したがって、賃貸などで炭火焼を行うのはあまり推奨できません。
室内が狭ければそれだけ煙が充満しやすく、警報器も鳴りやすくなります。
また、たくさんの人々と共同生活している中での炭火焼きは火事のリスクがあるため、オススメできません。
自宅で炭火焼のまとめ
- 炭火焼きは遠赤外線効果で、外はパリッと中はジューシーに調理できる。
- 自宅で炭火焼きを行う際、着火は室外で、調理はできるだけキッチンで行うと良い。
- 余熱は長時間続くため有効活用すると良い。
- 炭火は必ず消化を確認する。
自宅で炭火焼きを行うのは、想像よりも簡単だったかと思います。
ホットプレートやコンロとは違う、炭火焼き独特の香りやおいしさを堪能できます。
また、余熱を楽しむのも炭火焼きの醍醐味の1つなので、有効に活用しましょう。
ぜひ自宅で炭火焼きを、お店で食べるような本格的な料理を楽しんでくださいね。

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