身近で手軽に使える使い捨て100円ライター。
喫煙者がいる家だと溜まってしまいがちですが、喫煙者がいない家だとちょっとした用事でライターを買ったらなかなか使い切れない、なんてことも。
使い捨て100円ライターにはどんな使い道があるでしょうか。
使い捨てライターの特徴
使い捨てライターには、どのような特徴があるのでしょうか。
ライターには、オイルを燃料とするものとガスを燃料とするものがあります。使い捨て100円ライターは、ブタンなどの可燃性の液化石油ガスが燃料として使われています。
使い捨て100円ライターは、小型ガスボンベと小型ガスバーナーが一体化した形をしています。
バーナー部分にはガスに着火するためフリント式と呼ばれる構造になっています。フリント(発火石)をヤスリ状の回転ドラムに接触させることで発生する火花を発火の材料としています。
またライターの中には、zippoなどのように燃料を最充填して使える注入式ライターもありますが、使い捨てライターには注入弁がなく、入っている燃料を使い切るまでがライターの寿命です。燃料の再充填や、着火するフリント部分の交換はできません。
使い捨てライターの販売規制とは?
1970年代に登場した使い捨て100円ライターは、安価で気軽に入手しやすく、長い間ライターの主流となっています。しかし、ライターの火遊びが疑われる火災で子供の命が奪われる痛ましい事故が多発したことから、使い捨てライターには販売規制が行われるようになりました。
2010(平成22)年12月27日に消費生活用製品安全施行令の一部が改正され、それまでの使い捨てライターの販売が規制されるようになりました。2011(平成23)年9月以降は、PSCマークがついていないライターは販売できなくなっています。
PSCマークはProduct Safety of Consumer Productsの略で消費者の生命・身体に特に危害を及ぼす恐れが多いと認められる製品につけられ、使い捨てライターも該当します。事業者の自主検査などが義務付けられており、国の定めた基準に適合しないと販売できません。
PSCマークがついたライターは、子どもが操作しにくいCR(チャイルドレジスタンス)機能がついたものに限られています。
使い捨て100円ライターの使い道
使い捨て100円ライターの一般的な使い道
100円ライターは、ディスポライターとも呼ばれ、タバコの点火用に設計・製造された使い捨てのライターです。
マッチや着火器の代わりに、ストーブやコンロ、ろうそく、花火などに点火する用途にも使うことができますが、周囲や手元の安全に十分注意しましょう。
余った100円ライターで炙る
網でスルメを炙ったり、キャンプファイヤーでマシュマロをちょっと炙ると風味が増します。100円ライターの火で食べ物を炙ることはできるでしょうか。
食品にふれるため衛生面をきちんとすることと、火を扱うため安全性に注意が必要です。
ライターはタバコの点火用に作られているため、使用時の角度や持ち方によっては炎が手指に近すぎたり、連続点火時間が長くなったりすると、やけどなどの事故や予期せぬ火災などにつながりかねません。
用途外の使用に相当するため、十分に注意して使いましょう。
使い捨て100円ライターをポケトーチに使う
使い捨て100円ライターを使った着火器具「ポケトーチ」をご存知ですか。新富士バーナーという会社が展開する「SOTO」というアウトドアブランドから発売されているアイテムです。2010年にはアメリカのアウトドア専門誌「バックパッカー」で紹介され、エディターズチョイスを受賞しました。
ポケトーチは、フリント式の使い捨てガスライターをターボライターにするアイテムです。炎温度約800度の使い捨てガスライターでも、ポケトーチに装着すると、約1300度の強力な火が出るバーナーとして使えます。
ポケトーチはこんなときに便利
アウトドアで風が強い場所での点火や炭など着火に時間がかかる素材に点火したいときには、ポケトーチが大活躍。炎がまっすぐに伸び、強い火力で着火しやすくなっています。
自宅でもバーナーとして使って食べ物を炙ったり、花火や線香などに火をつけたいとき、趣味の工芸やはんだ付け、やロープの切断などにも便利です。
使い捨てライターがガスタンクの役割を果たすので、いつも新しく、メンテナンスもらくらくです。アウトドアにガスボンベを持参する必要もありません。
ポケトーチで使う100円ライターはポケトーチ専用で販売されていますが、100円ライターでも、フリント式でカバーのないもの、サイズが小さすぎないものを使うことができます。
ポケトーチ使用時の注意
使い捨てライターで気軽に使えるポケトーチですが、使い捨て100円ライターでも使えるものと使えないものがあります。サイズが違ったり、うまく着火ができなかったり、ポケトーチの故障につながる恐れもありますので、購入時に確認しましょう。
1300度まで炎の温度が高くなるため、ポケトーチを連続で使用できるのは1分までです。連続使用が長くなると、炎の吹出口が高温となり、ポケトーチが溶けたり、やけどなどの恐れがあります。
また使い捨てライターと同様に、ポケトーチも気温が低い場所で利用する時は、なかなか火のつきが悪くなります。逆に気温が高い場所では火がついたときに想像以上に炎が高く上がることがありますので、注意しましょう。
ポケトーチの元祖「SOTO」
もう少し安価なポケトーチ「新富士バーナー」
使い捨て100円ライターにガス注入で再利用できる?
使い捨て100円ライターはその名の通りディスポーザブル(使い捨て)ライターなので、使用後に捨てる前提で製造されています。
容器を分解してガスを注入すれば、再利用できるのではないかと試してみたい方もいるかもしれませんが、
- 部品の強度が弱く、分解したところで部品が壊れてしまう
- ガスを補充する際に漏れが多く、補充するガスの値段を考えると、新しいものを買ったほうが安い
- 一般の人が分解するための安全が保障されておらず、火災や事故、やけどなどの恐れがある
など、さまざまな不都合や危険性があり、あまり現実的ではないといえます。
同じライターを長く使いたい場合は、オイルライターなど燃料の補充ができるライターにしましょう。
使い捨て100円ライターを改造は危険
使い捨てライターの分解・改造は危険です。ライターを分解するときに火花が出て、ガスに引火して爆発する可能性もあります。
思いがけない事故や火災の原因とならぬよう、使い捨てライターは正しく使い、使い終わったら自治体のゴミ捨てのルールに従って、しっかり廃棄しましょう。
使い捨て100円ライターの再利用における注意点
100円ライターを再利用したい、というときに注意したいことがあります。
使い捨て100円ライターは使い捨てを前提として作られているため、PSCマークのないものや使用部材の経年変化で着火不良を起こすことがあります。早めに使い切るようにしましょう。
PSCマークのついていないライターや、いつ手に入れたかわからない古そうなライターは、安全のためきちんと廃棄しましょう。
使い捨て100円ライターの廃棄方法
余ってしまったり古くなってしまった使い捨て100円ライターはどのように捨てたらよいのでしょう。お住まいの自治体の分別方法に従って廃棄することになりますが、ライターの中に残ったガスは使い切って捨てます。
使い切れていないライターのガスを抜く方法は以下の通りです。
- 周囲に火の気がないことを確認する
- ライターのレバーを押し下げる。着火した場合は、レバーを押し下げたまま、炎を息で吹き消す
- 輪ゴムやしっかりしたテープなどでレバーを固定し、押し下げたままの状態を保持する
- この状態のまま火の気がない、換気のよい場所で半日から1日放置する
- 放置後、着火操作をして火がつかなければガス抜き完了
この後、自治体のルールに従って廃棄します。
ガス抜きしたライターを捨てるさい、東京都世田谷区では「ライター」と袋に書いて捨てることになっていますが、横浜市では「燃やすゴミ」として捨てます。お住まいの自治体に確認して、ルールに従って捨てましょう。
使い捨て100円ライターの使い道と再利用まとめ
使い捨て100円ライターは、タバコへの点火のために設計・製造されている使い捨てのライターです。
ガスがなくなったり古くなったものはきちんと廃棄して、新しいものを買いましょう。
使い道としては火力の弱い100円ライターのままでなく、ポケトーチでガスバーナーの代用をすることができます。
100円ライターもポケトーチも大変便利なのです。
ポケトーチの元祖「SOTO」
もう少し安価なポケトーチ「新富士バーナー」
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