「夏場や梅雨など湿度の高い時期、クローゼットをあけた瞬間にムワっと湿気が……」
「それになんだか臭いも気になる。もしかしてカビの臭い?」
こんな経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか。
「閉じておくから湿気がたまるんじゃないの?開けておけばいいじゃん」
そう思ってクローゼットを開けっ放しにしている方もいらっしゃるかもしれません。
結論から言うと、クローゼットの開けっ放しは湿気対策にはなりますが、実は他にいろいろとデメリットがあるんです。
クローゼットを開けっ放しにするメリット
常に換気ができる
クローゼットを開けた時のムワっと湿った空気や、嫌な臭い、カビ等は換気不足による空気の滞留が原因です。
とくにカビは
- 25℃前後の温度
- 60%~70%以上の湿度
- 栄養(ほこりや人の垢など)
- 酸素
この4つがそろうと発生してしまうので、意識して湿度を下げる必要があります。
ダニも似たような条件で発生してしまうので、換気はダニ対策にもなります。
ホコリがたまりにくくなる
「開けっ放しの方がホコリが入ってくるんじゃ?」と思われがちですが、じてゃこれは逆。
クローゼットを閉めっぱなしにしている方が掃除をしにくくなるので、ホコリがたまりやすくなるんです。
上にも書いたとおりホコリはカビやダニの栄養になってしまいます。
虫もホコリをエサにするので、虫も付きやすくなります。
服の買いすぎを防げる
他にも、湿気対策とは直接関係ないですが、クローゼットを開けっ放しにしておくことで手持ちの服が把握しやすくなり、同じような服をまた買ってしまった……という失敗が防げるという事もあります。
ぜひご参考までに。
クローゼットを開けっ放しにするデメリット
防虫剤の効果が無くなる
虫対策に防虫剤を買って入れているという方もいると思います。
でも実は、防虫剤は収納空間の広さに合わせて防虫効果が広がるように作られているんですよね。
もしどうしてもクローゼットを開けたうえで防虫剤を使いたいのなら、ウォークインクローゼット用など、広い範囲をカバーできるものを用意すると良いでしょう。
除湿剤の効果がなくなる
上記と同じような理由で、除湿剤の効果も薄くなってしまいます。
私も以前湿気が気になり、クローゼットを開けっ放しにした上で除湿剤を設置して湿度を下げようと試みたことがあります。
3つセットで売られている除湿剤(水とりぞうさん)だったので欲張って3つ全部置いてみたのですが、3つ全部がわずか2週間程度で限界まで吸水して使えなくなってしまいました。
調べてみると、除湿剤はクローゼットや押し入れ、げた箱などの閉じられた一畳程度の空間で効果を発揮するものだそうで……。
時期によっては除湿効果が見込めない
夏場や梅雨などは湿度が特に気になる時期なので、クローゼットの中も換気したい……という方が多いと思います。
実はこの時期にクローゼットを開けておいてもあまり換気はできないんです。
なぜなら、部屋の湿度そのものが高くなってしまっているから。たしかに高い湿度の空気どうしを交換しても仕方ないですよね。
衣類が日焼けをする
また、湿気対策とはあまり関係のないデメリットですが、クローゼットを開けっ放しにしておくと、お洋服が日焼けをしてしまうこともあります。
日当たりのいい部屋で開けっ放しにしておくときは注意が必要そうですね。
地震の時に危険
地震えぐかったクローゼット開けっ放ししてたら上に入れてたぬいぐるみ入ってるボックスとからのボックス落ちてきて焦った。あとドア近くのとこにCD入れてたケース落ちてきて壊れた。
— りりり (@vIaIUVQOneyctlp) February 13, 2021
怖くて落ちてきたぬいぐるみを顔に当ててた笑 pic.twitter.com/OZQKAowLLU
地震があったときに、クローゼットが開いていると物が倒れてきて危険です。
日中はともかくとして、寝ている時間なんかは閉めておく方が安心。
風水的に良くない
さらに、風水的によくないということを指摘される方もいらっしゃいます。
開けっ放しにしておくことで、クローゼットの中にたまった陰の氣が部屋の中に流れ込んできてしまったり、空間が歪んでしまったりするのだそうです。
これは気にする方とされない方がいらっしゃると思いますが、一応お伝えしておきます。
クローゼットの湿気対策
ここまでクローゼットを開けっ放しにすることのメリット・デメリットを見てきました。正直、開けっ放しにしておくことがそれほど良いことだと感じなかった人も多いのではないでしょうか。
「うーん、じゃあ結局どうしたらクローゼットを除湿できるの?」
結局そこですよね。ではここからはクローゼットの効果的な除湿方法についてまとめていきます。
除湿剤を置く
先ほど話題に上がっていた除湿剤ですが、正しい使い方をすればきちんと効果が見込めます。
クローゼットの効果的な除湿剤の置き方
除湿剤の置き場所に気を付ける
除湿剤は、置く場所によっては効果を発揮できないことがあるというのをご存知でしょうか?
「湿気」の正体は水分を多く含んだ空気です。この空気は水分を吸った分周りの空気よりも重たくなっているので、下の方にたまっていきます。
さらに、湿気は空気の入れ替えのない場所にたまる性質もあるので、クローゼットであれば奥の方にたまりやすくなっています。
つまり、クローゼットに置く除湿剤は「出来るだけ下の方、かつ奥の方」が、効果的に除湿ができるということです。
除湿剤の使用期限をしっかり守る
当たり前の話にはなりますが、除湿剤には使用期限というものがあります。
除湿剤を販売しているエステーの製品サイトによると、
3〜6ヵ月(季節により異なります。)
エステー製品
※温度や湿度によっては、目安まで水がたまらない場合がある。1年以内に必ずおとりかえください。
※おとりかえ目安を超えて使用するとあふれる場合があります。
とされています。
季節によって使用期限が異なるということなので、定期的に確認して目安まで水がたまっていれば交換する、というのが効果的に使うコツです。
時間がたってしまうと除湿の効果が薄れてしまうということですから、まだ使える!と思っても潔く取り換えてください。
広さや用途にあった除湿剤をつかう
狭いクローゼットであれば、ハンガータイプのものを服と一緒に吊るしておくだけで十分です。
しかし、広いクローゼットともなればそれだけでは不十分です。
奥の隅に置き型の除湿剤を設置し、布団なども一緒にしまっている場合にはシートタイプのものを布団に挟んでおくとよいでしょう。
一口に除湿剤と言っても色々な種類があるので、クローゼットの広さや用途に合わせて使い分けることが大切です。
色々な種類の除湿剤の中から、自分の収納スペースにぴったりの除湿剤を見つけることができます。
※メーカーによって異なる部分がありますので、除湿剤をご利用になる場合はそれぞれの使用方法・注意点をよく読んでお使いください。
除湿器
ウォークインクローゼットなど、広めの収納スペースを使っている人にはこちらがオススメ。
除湿剤よりは少し値は張りますが、長く使えるので経済的です。
小型でクローゼット専用の除湿器もあります。
amazonで検索すると中国業者の物がたくさん出てきますが、中国業者ではないものはコチラ
換気をする
除湿剤は湿度を下げることはできますが換気の代わりにはならないので、やはり時々は扉を開けて、空気を入れ替えなければなりません。
服の出し入れの時に開け閉めするだけではさすがに不十分ですが、開けっ放しにする必要はなく、一日に一時間程度開けてあげれば十分です。
効率的に換気をするためにオススメなのは扇風機です。
クローゼットに向けて強制的に風を当ててあげれば、すっきり素早く換気をすることができます。
服を詰め込みすぎない
服を詰め込みすぎると空気の通り道がなくなってしまうので、その分空気の入れ替わりが乏しくなります。
ハンガーで衣類を吊るしている場合は、服と服の間に隙間を作るようにしましょう。
また、生乾きの服や洗濯しないままの服を詰め込んだりしていませんか?
服そのものにも水分が残っている上、空気の流れも悪くなるので、クローゼット内の湿度が最高潮に。
そこに洗濯する前の汗や皮脂で汚れた服なんかあろうものなら、カビ・ダニ・虫が大喜びです。
絶対にやめましょう。
コートなどすぐには洗えないものであれば、一晩吊るしてからクローゼットに戻すと◎。
押入れの湿気対策は?
押入れも、気を付けるべきところはクローゼットと同じです。
とにかく換気して、湿度をできるだけとって、中身を詰め込まないこと。
上記に加えて、布団を床に直置きしておくとその間に湿気がたまってカビの原因になるので、すのこを敷いておくことをオススメします。通気性が良くなってカビ・ダニ予防になります。
珪藻土のマットなんかも使えます。
除湿シートなどはどこのホームセンターでも安価で手に入るので、そちらを使ってみるのもいいでしょう。
クローゼットや押し入れの開けっ放しまとめ
クローゼットを開けっ放しにすることのメリット・デメリット、効果的な湿気対策についておわかりいただけたのではないでしょうか。
まとめると、クローゼットを開けっ放しは……
- 【メリット】
-
- 常に換気ができる
- ホコリもたまりにくくなる。
- 手持ちの洋服を把握しやすくなる
- 【デメリット】
-
- 中に置いてある防虫剤や除湿剤の効果が薄くなってしまうことがある。
- 季節によっては除湿の効果もあまり期待できない。
- 地震の時には物が落ちてきて危険。
- 風水的にもよくない。
- 【効果的な湿気対策】
-
どのような収納方法だとしても換気をして空気を入れ替え、除湿剤などでできる限り湿気を取り除き、中身を詰め込みすぎないことが大切。
大切なお洋服やお家を守るためにも、以上の点に注意して、湿度対策をしてみてください!
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