梅ジュース(梅シロップ)を作るときどれだけ衛生面に気をつけたとしても、発酵してしまう時があります。
そんな時はどうしたらよいのでしょうか。
- 梅ジュースが発酵してしまう原因
- では梅ジュース(梅シロップ)が発酵した場合それは飲めるのか。
- また、梅ジュース(梅シロップ)を発酵させない方法はないのか。
この3点について詳しく解説しています。
なぜ梅ジュースは発酵する?発酵してしまう原因
※本記事では梅ジュースと表記していますが、梅シロップと同じことを意味しています。
なぜ梅ジュースは発酵してしまうのでしょうか。
殺菌不足
梅ジュースが発酵してしまう一番の理由は、しっかりと殺菌をしていなかったという事が挙げられます。
梅ジュースを作り季節が夏場であれば、菌はより活動的なので少しでも殺菌されていない場合、活動が活発になってしまう場合があります。
ですから梅ジュースを作るときは、「梅をしっかり洗う。」そして「瓶は徹底的に洗いアルコール消毒する」という事を絶対にやりましょう。
砂糖がまざりきっていない
梅ジュースを作る時は、「氷砂糖を使用する方」、「通常の砂糖を使用する方」、この2パターンがあります。
氷砂糖を使う場合、なかなか混ざらないという問題点があります。
そのため氷砂糖がまざりきっていない場合、発酵が進んでしまう場合があるのです。
このような対策として、氷砂糖から普通の砂糖を使用して作る方も増えてきています。
なぜ砂糖がまざりきっていないと、発酵が進んでしまうのかというと、それは糖分濃度が原因。
糖分の濃度が濃ければ濃いほど、発酵が進みにくくなります。
逆に、砂糖がしっかりと混ざっていない状態では、濃度が濃い部分、そして薄い部分が顕著に表れてしまうのです。
糖分濃度が濃い部分は問題ありませんが、濃度が薄い部分は発酵が進みがちとなってしまうので注意が必要。
ですから、氷砂糖にしろ普通の砂糖にしろ、一日二回以上は瓶を振ってまぜるようにするようにしましょう。
すると全体的に濃度を均一に保つことができますし、砂糖の溶け具合も確認する事ができます。
保管方法が悪い
梅ジュースを作り、保管しておく場所を適当にしてはいけません。
これは全ての食品に言えることですが、高温多湿は厳禁。
高温多湿は菌の繁殖を促してしまい発酵を進ませてしまう原因となります。
使用する梅が悪い
たとえば梅ジュースを作るときは、熟れている梅を使うよりは熟れていない梅を使うことが多いですよね。
これは熟れていない梅の方が梅のエキスが出やすいという性質があるからです。
ですから梅ジュースを作る際は、梅の選び方をしっかりとしましょう。
発酵しても梅ジュースは飲める?
結論から言えば、発酵したとしても梅ジュースは飲むことができます。
ただし、飲めない場合もあるのでそこは注意してください。
- カビが生えている。
- アルコール臭い
- 異臭がする。
- 梅ジュースのにごり
- 変色
これらに該当する場合は梅ジュースを飲むことはできません。
明らかに発酵とは違いますね。
このように、梅ジュースが発酵した場合と上記の場合では全く状況が異なるので、上記で示した状況になっている場合は梅ジュースを捨てるしかありません。
梅ジュースを発酵させない対策
梅ジュースを作ったら長く安全に梅ジュースを飲むために発酵させない対策をしていきましょう。
砂糖早く溶かす
さきほどは砂糖がうまく溶けていないことにより濃度の違いで発酵が進むと説明しましたね。
ですから、なるべく砂糖を早く溶かすという方法をとっていくことで発酵対策をする事ができます。
砂糖を早く溶かす方法は2つ。
- 氷砂糖ではなく普通の砂糖を使用する事。
- 一日複数回ゆすってでまぜること。
この方法があります。
どうしても氷砂糖で作りたいという方は、定期的にまぜる習慣をつけましょう。
梅を選ぶ
梅にはどうしても「発酵しやすい梅」と「発酵しにくい」があります。
これは上記でも説明したように完熟していない梅がジュースに向いています。
ですから、季節を選んで梅ジュースを作るという方法もありますよ。
また色で見極め、黄色くなっている梅を避けることで、発酵させない梅ジュース作りができます。
梅を冷凍してから使用する
これは裏技的な方法ですが、梅ジュースを作るとき、あらかじめ冷凍しておき、それをジュース作りに使用するという方法です。
たとえば、冷凍した食品を解凍すると中から成分がにじみ出てきますよね。
この性質を梅に利用するのです。
梅も同じで解凍されると同時に、中のエキスがいち早くにじみ出します。
梅ジュースの発酵を戻す!
加熱処理でOK
発酵していても問題なく飲めるとはいえ、「白くてアワアワの見た目が嫌、でも梅ジュースは飲みたい。」という方もいるのではないでしょうか。
そういう時は、白い泡を消して発酵を止めましょう。
梅ジュースの発酵を止める方法は簡単で加熱するだけ。
具体的な方法は白い泡がなくなるまで70度のお湯で熱するだけです。
この際にしっかりと温度計を使用しましょう。
うっかり沸騰させてしまうと梅ジュースの風味がなくなってしまいます。
そして、過熱後は風味を損なわせないためにすぐに氷水で温度を下げます。
ある程度温度が下がったら、再び容器に入れましょう。
容器に入れ替える際は、瓶を変える方が無難。
というのも、せっかく加熱で滅菌したのにもかかわらず、ビンについている発酵菌が再び梅ジュースを発酵させてしまう可能性があるからです。
ですから加熱で発酵を戻すのであれば、殺菌済みの新しい容器を準備するか、再度、瓶やふたを煮沸消毒をしておきましょう。
梅は捨てるべき?
加熱後、「白い泡」を消した後の梅についてです。
しっかりと梅のエキスが出ている場合であれば梅は捨てても構いません。
しかし梅のエキスがを抽出しきっていない場合は、再び梅を入れなければ梅ジュースは完成しません。
ただし再び同じ梅を使うということは、また発酵してしまう可能性もあるという事。
ですから、ある程度の発酵であれば少し我慢して梅エキスが抽出されきるまで待ってから、加熱処理をするのも1つの手です。
加熱しても風味は損なわれない?
結論から言えば、加熱して殺菌した後も風味が損なわれることはなく、問題なく梅ジュースの風味を楽しむことができます。
ただし、
- 加熱温度は70度。
- すぐに冷却
という条件を守った場合のみです。
加熱するのであれば、おいしい梅ジュースを飲むためにこのルールは徹底しましょう。
発酵していても気になるのは見た目だけ
梅ジュースが発酵したとしても気になるのはその見た目だけ。
白い泡があるだけで、味には全く問題ありません。
それよりも大事なことは、梅ジュースを作る過程で、定期的にまぜたり溶けやすい砂糖を使用するという事。
これだけで事前に梅ジュースの発酵を抑えることができるのです。
どうしても発酵が嫌だという方は、梅が発酵してから対処をするのでは無く、梅ジュースを作る前から準備しておくのが大切。
さて、今年もおいしい梅ジュースを作っていきましょう!
梅ジュースもいいけど!
せっかく梅があるなら梅ジュースも良いですが自分で梅干しを作ってみましょう!
梅干しを作る方法はあなたが思っているよりも簡単です。
梅干しではなく「梅漬け」ならもっと簡単。
干す工程がないので、ただ梅を付けるだけでOK!
なにより、梅干しを作るときに「梅酢」も一緒にできるのもうれしいですね。
梅酢があれば、レシピに幅が広がります。
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