自転車は通勤通学や買い物などの移動に活躍するほか、趣味やライフスタイルの一部として活躍の場が広がっています。
今ではシティーサイクル(ママチャリ含む)や折り畳み自転車のほか、クロスバイクやロードバイク、マウンテンバイクなど種類も豊富になりました。
そんなサイクルライフも広がった中、お気に入りのファッションに身を包んで、ウキウキした気分で自転車を楽しんだ後に、衣類に黒い油汚れを見つけてショックを受けたことがりませんか?
チノパンや白いスカートまたはロングコートなどに、黒ずんだオイル汚れをつけてしまってはたまりませんよね。
また、走行中にチェーンが外れてしまって直すのに手が真っ黒になったりタイヤに空気を入れている時、チェーンに服が触れて汚れてしまったりと、油汚れはいろんなタイミングで訪れます。
厄介なことに自転車の油汚れは洗濯機だけではなかなか落ちないんですよね。
諦めてお気に入りの服を廃棄してしまう前に、頑固な油汚れの落とし方を試してみてはどうでしょう。
この記事でわかること
- 自転車のフレームの油汚れの落とし方
- 自転車の油汚れが服や手に付いた時の落とし方
- 自転車の油汚れに効果的なアイテム
自転車の油汚れの種類
自転車の油汚れの大部分はチェーンの潤滑オイルまたは機械油によるものです。
衣類につく油汚れは、このチェーンの油が外のほこりやサビ(鉄分)などで黒い油に変色していることが多いです。
ペダル周りやフレームパーツの回転部分に使用されるグリスなども、稀に衣類を汚す恐れがあります。
また自転車の油汚れは空気中のほこりや鉄分などが混じり、普通の油汚れとは異なる不溶性の汚れも付加されるので簡単には落としにくいのです。
自転車のフレームの油汚れを落とす方法
パーツクリーナーで
自転車のフレームの油汚れを落とす方法はパーツクリーナーを使う方法が一番効率が良いです。
パーツクリーナーはホームセンターでも売っていますので、誰でも簡単に購入することができます。
パーツクリーナーは基本的に大容量。
値段も安くて購入しやすいので、自転車を持っているならパーツクリーナーはマストアイテムと言えるでしょう。
パーツクリーナー系で一番有名なメーカーはKURE。
自転車のフレームに油汚れ防ぐ対策
上記では自転車の油汚れを落とす方法を紹介いたしました。
油汚れをとした後は、そもそもフレームに油汚れを付着させない対策をとっていくのが効果的。
厳密に言えば、油汚れがついても簡単に落とせるようにするコーティングです。
そこでおすすめなのが、自転車のフレームをコーティングするアイテム。
ガラス系コーティングなら汚れを防ぐことも可能ですし、拭き上げたらしっかりと光沢を放ってくれて自転車をとてもきれいに保ってくれます。
自転車の油汚れが手についたときの落とし方
例えばチェーンが外れてやむを得ず素手で直した経験がありませんか?
その結果、手が真っ黒に汚れてしまいなかなか取れないなんてことも。
自転車の油汚れは手についた場合も、綺麗に落とせる方法がいくつかあります。
クレンジングオイル
ファンデーションなど多くの油成分が含まれたメイクを落とすときに使う、クレンジングオイルは自転車の油汚れを落とすのにとても有効です。
どちらにも共通しているのは油汚れに不溶性の汚れ(空気中のチリやホコリ、鉄粉など)が混じっていることです。
クレンジングにはさまざまなタイプがあるのですが、オイルタイプは濃いめのメイクに対して強力な洗浄力を発揮します。
化粧を落とすためのクレンジングオイルは男性にとってあまり馴染みのあるものではありませんが、ご家族で生活しているのであればお母様や奥様がお持ちかと思いますので、チェックしてみてください。
ちなみにクレンジングオイルでなくても、クレンジングクリームやクレンジングジェルでも効果は期待できます。
洗い方としては
- 水に濡らしていない乾いた状態で、油汚れのついた手にオイルを垂らす
- クレンジングオイルと油汚れをよく馴染ませる
- 馴染んできたらぬるま湯で洗い流す
- 石鹸やハンドソープで完全に洗い流す
洗った後に手の乾燥が気になるのであればスキンケアを行うとよいでしょう。
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クレンジングシート
さっとメイク落としができることで重宝されているクレンジングシートは、こちらも自転車の油汚れを落とすのに使えます。
クレンジングシートにはオイルインタイプとリキッドタイプという2種類ありますが、しっかりメイクを落とせるオイルインタイプであれば自転車の油汚れを落とすのにもかなり有効といえます。
携帯タイプのものであれば、出先で手を汚してしまった時や時間がない場面などで非常に便利です。
ただ、持ち歩くということであれば女性限定の話になってしまうかもしれませんね。
ピンク石鹸
整備工場や機械を扱う現場などには定番の石鹸。
品名には「ピンク石鹸」のほかに「ユーゲル」などもありますが内容は基本的に同じです。
ピンク色の粉末状になっていて、適量を手にとってこすることで油汚れが綺麗に落ちます。
汚れが落ちたら水洗いして完了ですがピンク石鹸には研磨剤が含まれているので、気になるようであればハンドクリームなどでケアしてください。
業務サイズkg単位での販売を目にしますが、アマゾンなどでは「油汚れ落としパウダー」800gが手頃サイズになるようです。
ハンドクリーナー
業務向けや油汚れを落とすハンドクリーナーとして「ピンク石鹸」はとても有効ですが、ほかにも油汚れに特化したハンドクリーナーがいくつかあるので紹介したいと思います。
KURE (呉工業) ニューシトラスクリーン ハンドクリーナー
液状タイプ
メーカーサイトでの用途説明には、グリース、タール、オイル、カーボン、油性インク、油性ペンキなどの洗浄とあります。
ラノリンという肌を整える成分が配合されて、しっとりした仕上がりになります。
自転車のメンテナンス後の手洗いなどでレヴュー評価も高いです。
GOJO(ゴージョー) クイック(S)ハンドクリーナー
アメリカのブランドになりますが、さまざまなハンドクリーナータイプをラインアップしています。
アマゾンのレビュー評価も高く、工場で働く人や自転車のメンテナンスの後に使用している人などに評価されています。
タオルタイプなどもあり、そちらもチェックしてみると良いでしょう。
AZ(エーゼット) 洗いま専科
こちらも手についた油汚れを落とすのに最適なハンドクリーナーになります。
メーカーサイトによるとスクラブやアロエエキスを配合することで、頑固な汚れを落として手にはうるおいを与えるとのです。
アマゾンではレヴューで「KURE ニューシトラスクリーン ハンドクリーナー」と比較されて購入している人もいるようです。
TIP TOP(チップトップ) クリーンナップ
水のいらないハンドクリーナーで汚れた手に適量をつけて練り込むように擦っていくと、汚れた部分が消しゴムのカスのように変化して落ちます。
アマゾンのレビューなどではロードバイクなど、スポーツ系自転車に乗っている人たちが携帯して重宝しているみたいですね。
手のひらサイズなのでポーチなどに気軽に常備することもできます。
爪の間に入った自転車の油汚れを落とす方法
自転車の油汚れが手についた場合で紹介した洗浄方法を持ってしても、爪の間に入ってしまった汚れが落としきれない場合があります。
ハンドブラシには色々な大きさがあるので、使いやすい好みのサイズを見つけてみてください。
また、使わなくなった歯ブラシなども有効。
自転車の油汚れが服に付いたときの落とし方
服についた自転車の油汚れは不溶性の汚れが付いているので、普通の洗剤で洗濯機にかけても簡単には落ちません。
まず黒ずみの汚れを落とさないといけませんので、いきなり洗濯機に放り込まないようにしてください。
クレンジングオイルと中性洗剤を使う
準備するものは…
- クレンジングオイル
- 中性洗剤(食器用洗剤)
- 歯ブラシ(柔らかめ)
- 汚れても良いタオルやウエス
- 洗剤用のカップ
作業に入る前に、念のため汚れた服の色落ちがないか確認しましょう。
生地の目立たない場所にクレンジングオイルを垂らしてみて軽く擦ってみてください。
手順としては…
- クレンジングオイルと中性洗剤を1:1の割合にしてカップに混ぜる
- 汚れた部分の下にタオルやウエスを当てる
- 1:1の割合で混ぜた液を汚れた部分に垂らす
- 歯ブラシで垂らした部分を軽く叩く
- 汚れを浮かすように作業を重ねる(浮いた汚れを擦らないように)
下に敷いたタオルやウエスに汚れが移っていれば、ぬるま湯で柔らかく擦りながらすすぎます。
汚れが落ちていれば仕上に、洗濯機にかけてあげましょう。
洗濯用固形石鹸を使う
洗濯用洗剤の中でも固形石鹸は衣類の部分洗いなどに、またワイシャツなどの裾についた皮脂の汚れや油汚れに威力を発揮してくれます。
固形石鹸を使用する前に注意したいのが「蛍光剤」が入っているかどうかです。
蛍光剤は白い衣類をより白く際立たせたいときに有効ですが、色の付いたものや柄物などには向いていません。
また、衣類の洗濯表示に「中性」や「中性洗剤使用」などの記載がある衣類は固形石鹸を使ってしまうと生地を痛める可能性があるので注意してください。
ウールやシルクのようなデリケートな衣類には向かないと言って良いかもしれません。
洗い方の手順…
- 汚れた部分を水(もしくはぬるま湯)で濡らす
- 濡らした部分に石鹸を塗り込んでいく
- もみ洗いやブラッシングする(優しく)
- 汚れが浮き落ちたら洗濯機へ
重曹と酸素系漂白剤
使える衣類が限定されますが、重曹と漂白剤の組み合わせで油汚れを落とす方法になります。
重曹は単体では洗浄力はあまり期待できませんが、油の汚れを分解してくれるので、漂白剤を混ぜることで強力な洗浄力を発揮します。
漂白剤は塩素系ではなく、衣類に優しい酸素系を選んでください。
準備するもの…
- 重曹
- 酸素系漂白剤
- クエン酸水(水100mlに対してクエン酸小さじ1/2目安)
- 歯ブラシ(柔らかめ)
- 汚れても良いタオルやウエス
- ドライヤー
- 洗剤用のカップ
手順は…
- 重曹と酸素系漂白剤を1:1の割合でカップに混ぜる
- 汚れた部分の下にタオルやウエスを当てる
- 1:1の割合で混ぜた液を汚れた部分に垂らす
- 歯ブラシで垂らした部分を軽く叩く
- ドライヤーを当てる(3分くらい)
- アルカリ性を中和させるためにクエン酸水をかける
- 水で揉み込む
- 汚れが落ちていたら洗濯機で洗濯
ベンジンを使う方法
ベンジンは皮脂汚れや油汚れなどの染み抜きができて便利ですが、可燃性で揮発性の高い液体なので取り扱いには注意が必要です。
乾燥させると蒸発するため、汚れを落とした後のすすぎ洗いなどが必要ないので、自宅での洗濯が難しいシルクやウール素材の衣類にも使えます。
準備するもの…
- ベンジン
- 歯ブラシ(柔らかめ)
- 汚れても良いタオルやウエス
作業の前に衣類の色落ちや生地が痛まないかを、目立たない部分で試しを行ってください。
手順は…
- 汚れた部分の下にタオルやウエスを当てる
- ベンジンを歯ブラシに含ませて、汚れた部分を優しく叩く
- 汚れた部分から少しずつ叩く範囲を広げながら作業する
- 汚れが落ちたら乾燥を待つ
ベンジンは筆者もオススメ。本の汚れ落としから衣類のシミ抜きまで重宝しています。
自転車の油汚れがスニーカーに付いたときの落とし方
自転車に乗って油汚れが付いてしまうのは服だけではありません。
お気に入りの白いスニーカーなどに、自転車の油汚れが付いてしまうなんてこともあり得ます。
キャンバス生地系スニーカー
固形石鹸を使う
自転車の油汚れを落とすために、最終的には全体を洗ってスニーカーを綺麗にしてしまいましょう。
全体を洗いやすくするために靴紐を取り外しておきます。
準備するもの…
- 固形石鹸
- 靴洗いできるブラシ(あれば部分洗いできる歯ブラシなども)
- 液体洗剤
- バケツ(つけ置きできるなら代用オケでも大丈夫です)
手順は…
- バケツにぬるま湯を入れて液体洗剤を水量の割合に合わせて混ぜる
- 1時間ほどつけ置きする
- 黒ずみのひどい部分に固形石鹸を塗り込み、徐々に全体に塗り込む
- 黒ずみ部分をブラッシングしながら、全体にもブラッシング
- 全体をブラッシングし終えたら、泡がなくなるまで水ですすぎ洗い流す
- 水気をよく切って脱水
- 風通しの良い日陰で干す
つけ置きのタイミングで靴紐も一緒に入れても良いでしょう。
自転車の油汚れがスニーカーについたときのおすすめの固形石鹸
メディアなどでも話題になっているウタマロ石鹸は固形石鹸のレヴューも評価が高いです。
ウタマロの固形石鹸は蛍光剤入りなので、柄物や色の濃いものには向きません。
ウタマロにはリキッドタイプがあり、こちらには蛍光剤が入っていないので使い分けできます。
公式サイトでも使い分けの推奨説明があり、洗浄力に違いはないようです。
メッシュ系スニーカー
キャンバス系スニーカーと基本的には同じ落とし方で進めます。
汚れた箇所にもよりますがリキッドタイプの石鹸や食器用洗剤でブラッシングしてみるのも良いでしょう。
スエード系スニーカー
スエード系は丸洗いはできませんので、小さな油汚れなどであれば専用のスエードクリーナーとブラッシングで落としていくことになります。
しかし、汚れの幅があまりに広い場合はシューズの表側を洗う方法をとります。
準備するもの…
- シャンプー(洗髪用で大丈夫です)
- 汚れても良いタオルやウエス
- シューズブラシ
- スポンジ
手順は…
- 汚れた部分から全体にかけてブラッシングする
- シューズの表側に、濡らしたタオルやウエスを当ててよく湿らせる
- スポンジを濡らした状態でシャンプーをとり、よく泡立てる
- 泡立てたスポンジでシューズを洗っていく
- 洗い終わった泡を綺麗に取り除いていく(水だけ含んだスポンジを当てて取り除く)
- シャンプーの成分を完全に取り除く
- 風通しの良い場所で陰干しする
- 少し乾いた状態になったらシューズキーパーで形を整える
メンテナンス
スニーカーを綺麗にした後は防水スプレーなどで、汚れがつきにくい状態にしておきましょう。
メンテナンス用品はこちらの全てのシューズに対応するキットがおすすめ。
自転車の油汚れが取れない時はクリーニング
自転車に乗っていると思いがけないタイミングで、大事な衣類に油汚れが付いてしまうこともあります。
自宅で洗濯できる衣類であれば、上記の方法で汚れを落とすことも可能かもしれません。
ロングコートを自転車のチェーンに巻き込んでしまったり、ダウンジャケットに自転車の油がそこそこ目立つ箇所に付いてしまったりすることもないとは言えませんね。
デリケートな衣類に自分で汚れを落とすことにリスクを感じるのであれば、無理をせずクリーニングに出すことも選択肢として考えてみましょう。
自転車の油汚れまとめ
自転車へのメンテナンス
自転車の油汚れは、どんなに注意をしていても付いてしまいます。
少しでもトラブルを防ぐためには、自転車に乗るための準備も必要。
特にスポーツ系の自転車であれば、ギアの調整を定期的にすることでチェーンが外れるトラブルも減らせるでしょう。
もちろんギアのないシティーサイクルなども、定期的にチェーンオイルや機械油を注油することでチェーントラブルは減らせます。
また、注油した後に溢れた油を軽く拭き取ることで、ズボンやスカートなどに付着するリスクも低くなります。
普段乗っている自転車のメンテナンスが面倒だと感じるのであれば、近くの自転車屋さんにお願いしても良いと思います。
自転車に乗るときの服装
ズボンやスカートの裾などは自転車の油汚れの被害率が高いように思います。
ロードバイクやクロスバイクなどチェーンガードの付いていない自転車に乗るとき、裾の広いズボンやスカートはチェーンに触れてしまったり巻き込まれやすいです。
冬の季節にゴワゴワした上着などでチェーントラブルやパンクなどが原因で不意に油汚れが付いてしまうこともあります。
自転車に乗るときには、カジュアルであっても風の抵抗などを抑えられる服装を心がけてみましょう。
スリムなパンツであったりズボンの裾に巻けるベルト(裾バンド)を準備して、ペダル付近への影響を考えることも大切になります。
自転車の油汚れが取れない時はコチラ
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