また、夏の暑さを感じる時期がやってきました。
毎年、冬になると夏の暑さがまるで遠い昔のように感じるのですが、少しずつ思い出していきますね。
それはある種、春夏秋冬がある日本の良さとも言えるでしょう。
そんな日本では、昨年30℃を超える地域が多くありました。
外に出るのが億劫だったり、冷房なしでは室内にいられないことも多いですね。
そんな暑い日につい、冷たい飲み物を飲んですっきりとしたくなります。
特に、長年日本人から愛されている“ラムネ”。そんなラムネですが、なぜ瓶の中にはビー玉が入っているのでしょう。今回は、ラムネに入っているビー玉の意味や理由について解説していきます。
ラムネとサイダー
まず初めに、ラムネが一体どういった飲み物を指すのかご説明していきます。
似ているようで、実は大きく異なっているのがラムネ、そしてサイダーです。
この2つを比べると、ラムネがどのような飲み物かお分かりいただけると思います。
栓の違い
ラムネはビー玉やコルクで栓をする一方、サイダーは王冠やスクリューキャップを使用
ラムネは現在、ビー玉で栓をされています。
生まれた当初、ラムネ瓶はコルクで栓をされていました。
しかし、コルクの場合、コルクのカスが飲み物内に入ってしまうことがあり、1872年、イギリスのハイラム・コッド氏(コルク会社のセールスマン)が炭酸飲料の画期的な方法としてビー玉を開発したと言われています。
一方、サイダーは王冠やスクリューキャップの栓が一般的です。
生産性や密閉性が高いことから、この王冠が主流になったと言われています。
味の違い
明治時代には、現在のサイダーとラムネとは味が異なっていました。
サイダーはリンゴ風味であり、ラムネがレモン風味だったのです。
リンゴ風味はかつて、値段が高く、高級品でした。
したがって、サイダーを飲むのは高級派、ラムネは庶民派と分けられていました。
名称の由来の違い
ラムネは英語の「レモネード」から来ているとされています。
一方、サイダーはフランス語でリンゴ酒という意味の「シードル」が語源です。
しかし、現在では両者の違いは曖昧で、「ビー玉が入っているか」ということで分けられるようになりました。
さて、ラムネが一体どのような飲み物かお分かりいただけたと思います。
それでは、なぜそのラムネにビー玉が入っているのか、ご説明します。
ラムネ瓶のビー玉が邪魔です
どうしても、最後までは飲み干すのが難しくてイライラしてしまう方も多いですね。
しまいには、たたき割るという力技まで登場しました。
ラムネ瓶を閉めるなら、もっといい方法は無かったのか、疑問が湧く方も多いでしょう。
そもそもビー玉とは?
ラムネの中に入っているガラス玉を「ビー玉」と何気なくいいますよね。
では、そもそも「ビー玉」はなぜ、「ビー玉」なのでしょうか。
ガラス玉を入れたラムネが製造されたころ、瓶の蓋として使える、規格内のガラス玉を「A玉」と呼び、蓋として使うことができない、子ども用玩具として使用するものを「B玉」と呼ぶようになったのです。
この説が最も有名な話ではありますが、一方で、ポルトガル語でガラスを意味する「ビードロ」が浸透したという説もあります。
ラムネ瓶にビー玉が入っている理由と意味
安価だから
ラムネが初めて日本に来たのは、1853年、ペルーが来航した時です。
当時はコルクで栓をされていたのですが、1888年頃にビー玉栓が普及しました。
ガラスの方がコルクに比べて、安価で再利用が可能だったことが、理由として考えられています。
炭酸が抜けにくくなるから
そして、一番大きな理由となるのが、炭酸が抜けないように密閉するためです。
まずは、ラムネの製造方法からご紹介しましょう。
ラムネの製造方法
- シロップを瓶に注入する
- 炭酸水を一気に吹き込む
- 2がいっぱいになったら瓶を逆さにする
- 同時に下に降りたビー玉で栓をする
炭酸の内部からの圧力によって、瓶の中でビー玉が蓋をしているということになります。
また、ラムネ瓶の中央部分にくびれがあります。
これは、瓶を逆にしたタイミングで、早くビー玉を瓶口まで落とすことで、そのわずかな時間に、ガスが抜けてしまうのを防止するためとされています。
製造過程で炭酸が抜けてしまうコルクに比べて、炭酸が抜けず、良い品質を保つことができるビー玉が普及したというわけです。
ラムネ瓶にビー玉をどうやって入れている?
では、そもそもどのようにビー玉を入れているのでしょうか。
その方法が主に2つあります。
栓と胴体を別に作る
口の部分と胴の部分を別々に作り、ビー玉を入れた後に加熱をして付け、1つの瓶に成形する方法です。
口を広く作る
まず初めに、溶けたガラスを瓶型に流し込み、空気を入れて形を整えます。
ここで広めに作っていた瓶口にビー玉を入れた後、瓶口を狭くしてビー玉を入れる方法です。
生産性が高く、日本硝子製品工業会で紹介されている主流な方法です。
ラムネ瓶にビー玉が入っている理由まとめ
ラムネの品質を保持するため、ビー玉が栓をしているのがお分かりいただけたでしょうか。
日本人は、古くから食品に対して高品質を求めてきました。
例えば、「ヤクルト」
2006年には中国に進出して以来、売れ行きも急上昇している食品です。
「毎日飲むことで、抵抗力・免疫力・病気予防ができる」という商品の価値が評価されたと共に、日本の品質のいい食品が評価されたと言えるでしょう。
他にも、しょうゆや食肉など、日本には世界に自慢できるような食品が多くあります。
ラムネも歴史の過程で、高品質を求める日本人によって、美味しい飲み物に変化していったと言えるでしょう。
ラムネですっきりと、今年の暑い夏も乗り越えましょう。
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