仕事で疲れ切ったあと、嫌なことがあってなんだかモヤモヤした、普段生活しているとこういう状況は誰にでもありますよね。なんとなく気分が晴れない日もあると思います。
私の場合、そういう時はほんの少しだけ自分を甘やかせる時間、リラックスする時間を作っています。
水道代がもったいないのでいつもはシャワーで済ませていますが、特別な日だけバスタブにつかるのもその一つ。
でも、それだけだとなんだか味気なく、物たりなく感じるときってありますよね。
そういう時、泡風呂が簡単に作れたらいいな、もっとお風呂の時間を楽しみたいと思ったりしませんか。実は泡風呂は専用の器具や入浴剤がなくても簡単に自宅で作ることができます。
この記事では「自宅で泡風呂を作ってみたい」そんな願望を簡単に叶えることができるようになります。
泡風呂の効果
泡風呂には8つの効果があります。
精神的リラクゼーション
入浴には、ストレスや不安を緩和させ、気持ちを軽くする作用があります。
なぜなら、水中に体を鎮めると神経を落ち着かせる効果があるからです。また、入浴している状態は、生まれる前の子宮内で暖かい羊水の中に浮いていた状態を模倣することができ、私たちに本能的な安心感をもたらします。
よって、入浴には、精神的なリラクゼーション作用があります。
幸福感
温かいお湯での入浴は脳内のセロトニン分泌を刺激します。セロトニンの作用は東邦大学医療センターによると下記の通りです。
セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑え、心のバランスを整える作用のある伝達物質です。そのためセロトニンを増やすことで精神的な安定が得られると言われ、最近では「幸福物質」や「幸せホルモン」と呼ばれテレビなどでも取り上げられるようになりました。
東邦大学医療センター
よって、入浴にはセロトニンを増加させることで精神の安定を保ち、私たちに幸福感を与える作用があります。
クレンジングとデトックス作用
泡風呂にはクレンジング、デトックス作用があります。
なぜなら、温かい泡風呂に入ることで、より毛穴が開き、古い皮膚や不純物を取り除くことができるからです。泡風呂では泡が細かい部分まで汚れを落とすので、この効果は普通のお湯での入浴よりも高いです。
また、摩擦で汚れを落とすのではなく、泡が優しく皮膚の汚れを落とすので、皮膚への刺激も少なくて済みます。
加えて、入浴時に発汗することで体内から毒素の排出を促し、リンパシステムを促進する作用があります。滞ったリンパを流すのは、むくみの改善にもつながります。
肌に栄養・水分補給
温かいお湯の中に体をしずめるため、泡風呂には直接的に体と肌への栄養・水分補給を促す作用があります。肌の栄養・水分補給は生体機能にも重要です。
なぜなら、体のほとんどは水分でできているからです。
体に含まれる水分量は成人で約60~65%、高齢者で50~55%程。とくに、皮膚は体内からの水分が過剰に蒸発されるのを防ぐ保湿機能と異物の侵入を防ぐ役割があります。
この2つの機能を維持するためには、肌の栄養や水分を維持・補給をすることが重要となります。よって、入浴は生体機能を維持にも影響を及ぼします。
注意点は泡風呂を洗浄力の強いボディソープで作った場合。長時間の入浴によって逆に皮膚が乾燥してしまう場合があります。
痛みの緩和作用
お湯につかることによって痛みや炎症を抑える作用があります。
例えば、長時間の同一姿勢での作業やデスクワーク、運動後は筋肉が緊張しており、凝り固まった状態となります。泡風呂の熱によって、血流が刺激され、筋肉の痛みや緊張は緩和されます。
さらに、入浴することで浮力が働き、体が軽くなり、筋肉の緊張をより取り除きやすい状態でもあります。よって、泡風呂には体の治癒をも促す作用があるのです。
血液循環、心機能への影響
温かいお湯に包まれると血流がよくなります。
血流がよくなると心拍数も上昇し、健康的な運動をしているような状態となります。また、入浴のリラックス作用に伴って、深呼吸を自然とおこなうことができるので、血液の酸素化を促します。
入浴すると一度血圧は上昇しますが、しばらくすると血流がよくなるため、毛細血管が拡張し、血圧は下がっていきます。
高血圧の人は微温浴(35~38℃のお湯で入浴すること)を続けることで血圧が下げるのを促す作用があります。
眠りの質の改善
米テキサス大学Shahab Haghayegh氏の研究によると、就寝1~2時間前の入浴が入眠するまでの時間を短縮させ、全体的な睡眠時間の延長をももたらすと述べています。
Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: A systematic review and meta-analysis
これは2019年8月の「Sleep Medicine Reviews」に発表されている研究です。
適切なタイミングでの入浴は睡眠の質を改善し、より熟眠感をもたらすと考えられます。
お湯が冷めにくい
泡風呂の醍醐味である泡。見た目を楽しませるだけでなく、お湯の蒸発を防ぐ蓋の作用もあります。そのため、通常のお風呂よりもお湯が冷めにくくなり、より長時間入浴を楽しむことができます。
泡風呂を作る前の準備
泡風呂を作る前に大事なのことが1つ。それは掃除です。泡は汚れを取り込むと洗浄力が落ち、消えてしまう性質を持っています。浴槽内に少しでも汚れがあると、泡だちにくくなったり、泡が長持ちしない原因となります。そのため、泡風呂を作る直前に掃除をすることをおすすめします。
使う泡風呂の素の違い
ボディソープで作る泡風呂の特徴
ボディソープで作る泡風呂の特徴は3つ。ボディソープで泡を作るので、たっぷりの泡を使って、そのまま体を洗うことが可能です。
また、目安は10~15プッシュ程度で泡風呂を作りますが、メーカーによって泡立ちが異なるので、必要時適宜足していく必要がある点。さらに、使用後は残った泡で浴室の洗浄も行うことができます。
一方で欠点として、大量のボディソープを使用するのでコストが高くつきます。
泡立ちがよいという利点の反面、泡がなかなか落ちにくく、掃除が大変という欠点もあります。
シャンプーで作る泡風呂の特徴
シャンプーで作る泡風呂の特徴は、髪の毛を一緒に洗うことができる点。
普段のシャワーでの洗髪と違い、髪の毛を浴槽につけながら洗うことができるので、頭皮のリラックス効果、自宅でヘッドスパを行うことも可能です。
欠点としては2点。ボディソープで作った泡風呂と同様に泡が落ちにくく、後片付けの掃除が大変という点です。
加えて、シャンプー特有のぬめりが取りにくく、掃除に時間がかかります。
2点目は皮膚トラブル。そもそも、シャンプーは頭皮や髪の毛を洗うために作られたものなので、皮膚が弱い方や長時間入浴してしまうと刺激によって皮膚トラブルを引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
重曹とクエン酸で作る泡風呂の特徴
重曹とクエン酸を使った泡風呂は体の汚れを洗い流しやすく、肌をすべすべにする効果、体臭予防効果が期待できます。
なぜなら、重曹は弱アルカリ性を含んでいるので、ニキビや肌荒れの原因となる油汚れを落とすのに適しているからです。
また、クエン酸と重曹の化学反応で発泡するので血行促進作用があり、肌角質の汚れを取り除き肌がすべすべになります。さらに、脂肪酸や酢酸などの体臭の原因となる酸性物質を中和し、消臭する作用があります。
加えて、重曹、クエン酸どちらも湯垢落としやカビ落としに一般的に使用されますので、泡風呂と掃除が一緒にできるという優れものです。
注意が必要なのは入れる量。ほかの泡風呂の素と違い、化学反応で泡を作ります。そのため、大量にいれると泡が止まらなくなりあふれ出してしまいます。コップ一杯などの少量から開始し、調整しましょう。
泡風呂の作り方
まずはじめは、バブルバス専用の入浴剤を使用しての、泡風呂の作り方を紹介します。バブルバス専用の入浴剤を使用する場合は、他の入浴剤の素でつくるよりもより簡単に作ることができます。
ボディソープやシャンプー、重曹とクエン酸で作る泡風呂の作り方は後程記載します。
掃除をして、浴槽に少量お湯をはる
掃除をしたあとに、浴槽の底から5㎝程度のお湯をためます。
入浴剤の投入
浴槽内のお湯に入浴剤を投入し、中身がしっかり溶けるまでかき混ぜます。
お湯をはる
蛇口からのお湯の水圧で泡立てるので、お湯を勢いよく出してお湯をはっていきます。
高い位置からシャワーを10㎝程離した距離から使うと細かい泡ができるので、好みで調整してください。これで完成です。
掃除をして、お湯をはる
前述のとおり、浴槽に汚れがあると泡立ちにくくなったり、泡が長持ちしないので掃除をしましょう。
そのあと、浴槽半分くらいのお湯を入れます。具体的には180~200リットル程度。
ボディソープまたはシャンプーの投入
蛇口の真下あたりに、ボディソープであれば10~15プッシュ程度を目安に垂らして、蛇口から出てくるお湯の水流で泡立てます。ボディソープの量は浴槽の大きさで変化するので適度に調整しましょう。
シャンプーで泡風呂を作る場合は、5~10プッシュを目安に同じように蛇口の下に垂らし、泡立てます。
シャワーで泡立てる
お湯を浴槽にため終わったら、シャワーからお湯を出して細かい泡を作ります。大体10㎝程度、湯面から話したシャワーのお湯を、浴槽全体に当てます。
すると、細かい泡ができます。シャワーとお湯の距離によって、泡立ち具合に違いがでますので好みの距離で泡立てましょう。これで完成です。
クエン酸と重曹で作る泡風呂は以下のように作っていきます。
浴槽にお湯をはる
まず浴槽にお湯を張ります。クエン酸と重曹を加えた際に湯量を調整できるように少なめにしておいてください。
重曹とクエン酸を加える
重曹とクエン酸を混ぜ合わせます。重曹とクエン酸の比率は2:1の割合で。はじめはコップ1杯程度のものを作り、足りない場合は足していくようにしてください。混ぜ合わせたものを浴槽に入れます。
お湯または重曹とクエン酸の量の調整
泡の状態を見ながら、お湯が足りない場合はちょうどいい量までお湯を足します。また、泡が足りないと感じた場合は、重曹とクエン酸を追加で投入すると泡を増やしましょう。
泡風呂がうまく作れない時の原因
水圧不足
うまく泡が作れない原因として一番に考えられるのは水圧不足。
重曹とクエン酸以外の泡風呂の素は水圧で泡を作るため。お湯を張る際の水圧を強くしたり、シャワーの水圧調整をし、泡立てて泡を作ることで改善できます。
または、入浴剤自体を蛇口の真下に置くことで直接水圧がかかり泡立ちやすくなります。
お湯の温度
ソープが溶けやすい温度が存在します。
ぬるま湯が一番溶けやすい温度となっていますので、お湯の温度が熱すぎていないか、冷たすぎていないかの確認をして調整してみましょう。
ボディソープの種類
ボディソープは種類によっては泡立ちが悪く、泡風呂に適さないタイプがあります。失敗しないようにしたいのであれば、泡で出てくるボディソープの原液の使用がおすすめです。
自宅で泡風呂を作る時のおすすめアイテム
散水栓
浴槽の蛇口に簡単に取り付けることができる散水栓は、水圧をかなり高めることできる優れものです。
浴槽の蛇口だけで作るよりも、よりたくさんの泡を簡単に作ることができます。100円均一やホームセンターなどで販売しており、手ごろな価格で手に入れることができます。
ジェット水流ヘッド
浴槽に蛇口がついていない家庭の場合は、お風呂掃除用に販売しているジェット水流ヘッドがおすすめです。こちらは、シャワーヘッドを交換して取り付けることによって、シャワーの水圧を高めることができます。
本来は掃除用ですが、泡風呂の泡を作る際に使用すると泡をたくさん作ることができます。
バスソルト
バスソルトはデトックスや代謝の亢進を促すだけなく、泡を長持ちさせる効果があります。これは、石鹸成分の一つに塩が反応し、消えにくい泡を維持するため。
泡風呂を少しでも長く楽しみたい場合は追加で使用することがおすすめです。
花びら
花びら入りの泡風呂は、自宅にいながら、ホテルのような高級感を出すことができます。花びらだけ入れる手間がかかりますが、あらかじめバスソルトに花びらが入っているものが販売されています。
例えば、フローラノーティス ジルスチュアートから販売されているフレンチローズバスソルト。バスソルトに、本物のバラの花びらが含まれています。
ただ、お値段は安くはありませんので、ご褒美の日に作る泡風呂にこのようなバスソルトを追加してみるのはいかがでしょうか。
アロマオイル
泡風呂の素からの香りが好みでなかった場合や、あまり香りがしなかった場合、アロマオイルを使用してみるのはいかがでしょうか。アロマオイルを使ったアロマバスは、それぞれの悩みにあわせて香りを選ぶことができます。
リラックスしたいときは「ラベンダー」、リフレッシュしたいときは「レモン」などです。
もちろん入浴剤などの香りに加えて、アロマオイルを追加することもでき、より泡風呂を楽しむことができます。
泡風呂の作り方まとめ
泡風呂は市販されている泡の入浴剤の使用しないと作れないものではなく、自宅にあるもので作ることが可能です。それぞれの利点・欠点にあわせて泡風呂の素を選択し楽しんでください。
おすすめのアイテムを追加し、日ごろからの体の疲れを癒して、思う存分自分を甘やかせて、休息してみるのはいかがでしょうか。
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