フリクションボールが消えた時は冷やす?消えないようにする方法は?

フリクションボールが消えた時は冷やす?消えないようにする方法は?

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パイロットの消えるペン「フリクション」。

便利で愛用者も多いペンですが、摩擦熱でインクが消える危険性があるため、証書、宛名など重要書類に使わないようにと注意書きがあります。日常生活でも、高温の場所に放置してしまったために書いた文字が消えた経験がある人も多いのでは。

フリクションで書いたものが消えてしまったとき、冷やすと戻ると言われていますが、実際どうなのでしょうか。せっかく書いたものが消えないようにするにはどんなことに注意したらよいかもご紹介します。

目次

消えるボールペン/フリクションとは

筆記具といえば、鉛筆、ボールペン、万年筆などが一般的ですが、消えるボールペン「フリクションボール」も2007年の発売以来とても人気があり、現在も、ボールペン、サインペン、蛍光ペン、色鉛筆と幅広く展開されています。

フリクションの魅力は、ゲルインキボールペンでありながら書いたものを思いどおりに消せる点です。鉛筆を消しゴムで消すのと同じ感覚で書き損じを気軽に消せることから、手帳やメモ、授業ノートなど日常的に愛用している人も多いのではないでしょうか。

フリクションは、ペン先と反対側にある消去用ラバーで筆跡をこすって摩擦熱を発生させ、筆跡が消えるように作られています。

消えるボールペン/フリクションの文字が消える温度

フリクションの発売元であるパイロットコーポレーションのサイトによれば、フリクションのインクが消える温度は60度。専用ラバーで消すことで発生する摩擦熱が60度台になります。

私たちの生活で外気温や室温が60度になることはありませんが、日常生活に起こりうる60度に近い環境には気をつける必要があります。たとえば、暑い日の車の中や換気されない空間、熱い飲み物・食べ物を入れた容器との接触、暖房器具の近く、パソコンの放熱など、屋外・屋内、家庭・職場、さまざまな場所に60度に近い状況があります。

具体的にどんな場合に注意するべきか知っておく必要があります。

消える特殊なインク

フリクションのために開発された「フリクションインキ」は特別なカプセルが3種類配合されています。

このフリクションインキは、60度の熱によって3種類の成分の働きが変わります。働きが変化することにより、インクの色が無色透明になるという性質を持っています。だから、書いた文字やイラストに摩擦熱を伝えると、インク内の成分の組み合わせが変わり、色が透明になって、インクが目には見えなくなります。

色が透明になるだけなので、消しゴムとちがって消しカスが出ることもありません。また紙の折り目や凸凹した場所に書いた文字でも、温度が伝われば消すことができます。

フリクションの文字が消える原因

気軽に消せるフリクションボールですが、予期しない状況でいつのまにかインクが消えてしまった、なんてことはありませんか。メモに書き留めたものや消したくないものまでが消えてしまうのは困りますね。

フリクションで書いたものは、日常のどんな状況で消えるのかをまとめてみました。

暑い日の車中に放置する

真夏の気温の高い日に閉め切った車の中では、温度が50度から70度に上がります。日の当たる場所にとめた車のダッシュボードでは80度になったという報告も。

暑い日の車中にノートを入れたかばんや仕事で使うファイルなどを、重いからと車に置き去りにすると、熱に反応したフリクションインキが消えてしまいます。

炎天下で書類を持ち歩く・メモをとる

車に限らず、真夏の暑い日に書類を持ち歩いたり、メモを取ったりする状況ではフリクションは適していません。

気温は30度台でも油断は禁物。長時間の屋外や直射日光に当たる場所には注意しましょう。屋外のスポーツの場面で使ったり、ビジネスで持ち歩くかばんの中では熱によりフリクションのインクが消えることがあります。

https://twitter.com/mura_suzume/status/884916613790670848

暖房器具の近くに置く

冬になるとストーブ、エアコン、こたつなどさまざまな暖房器具が使われます。暖房といってもそこまで熱くならないと考えるかもしれませんが、熱が伝わる場所に一定時間以上放置した場合、フリクションが消えてしまうことが。

ホットカーペット、こたつ、床暖房などに注意しましょう。

熱い食べ物・飲み物を入れた容器と触れる

沸騰した水の温度は100度です。お茶やコーヒーなどの飲み物でも80〜90度くらい。

淹れたての熱い飲み物やできたての料理、レンジで温めた食べ物などを事務作業のお供にするときは、フリクションで書いた書類に接触しないよう注意が必要です。

お湯や熱い飲み物をこぼす

書類に液体をこぼすとフリクションでなくてもインクがにじんだり消えたりしますね。フリクションの場合はインクが液体に溶けるからではなく、接触した液体の温度が高いことが原因で消えます。

ノート作成や書類をチェックするときに手元にある飲み物、とくにホットコーヒーは気をつけましょう。

https://twitter.com/ymtlna2/status/1384747482542854147

ドライヤーをあてる

熱が発生する家電といえばドライヤーがあります。ドライヤーは通常、髪の毛を乾かすときに使うものですが、雨で濡れたノートや飲み物をこぼした紙を乾かすのに使ったことがある方も多いのでは。

フリクションの文字が書いてある紙を濡らしてしまい、まずいと思ってドライヤーをかけた場合、紙は乾きますが、そこに書かれたフリクションインクの筆跡は消えてしまうのでご注意を。

https://twitter.com/shioriiin01/status/1356626749396672513

強く摩擦する

フリクションを消すとき消去用ラバーでこすりますが、同じように紙に摩擦がかかると、発生する摩擦熱によってフリクションインキが消えてしまいます。

鉛筆で書いた部分をきれいに消そうと消しゴムを強くかけたときや、フリクションの消去ラバーで消そうとしている紙の裏面にあたる場所に書かれた文字にも注意しましょう。

ノートパソコン、スマホなど放熱中のデバイスと接触する

季節や作業内容によって、ノートパソコンやスマートフォンなどデバイスからの放熱が高まることがあります。特に暑い日やマシン負荷がかかる作業中などは、デバイスに触ったとき驚くくらいの熱さになっていることも。

またパソコン周辺機器にもプロジェクターやプリンターなど、排熱するマシンが他にもあり、デスクワークで使う書類との距離も近くなりがちです。

何気なくノートパソコンやスマホの下に書類やノートを置いたり、プリンタ機器などの排熱口の近くにノートやファイルを立てておいたりすると、デバイスの排熱や排気でいつの間にかフリクションインクが消えてしまっていることがあるので注意しましょう。

https://twitter.com/matsutake_snd/status/1369541832883855362

ラミネートやコピー機、スキャナーなど機械を通す

書面の保護や保存のためにラミネート加工をすることがあります。紙の表面に薄いプラスチックを貼り付けるものですが、ノリを溶かすため、ラミネート加工には熱が加わります。したがって、ラミネートしたい紙にフリクションで手書きした文字やイラストがある場合、加工したあと筆跡が消えてしまうので注意しましょう。

ラミネート加工以外にも、コピー機やスキャナなどでも、読み取ったときに機械のもつ熱が紙に伝わり、フリクションインキの色を透明にしてしまうことがあります。

フリクションボールは郵便の宛名に使わないようにと注意書きがありますが、郵便番号を読み取る機械が処理のため熱くなっていてフリクションのインクが消えてしまうというのが原因です。

アイロンを当てる

アイロンは熱を発する一般的な家電のひとつですね。マスクや洋服作りなど裁縫のシーンでもアイロンは活躍します。

しかし、型紙に目印や文字をフリクションで書いてあると、アイロンをかけたときにインキが無色になってしまいます。それを利用して、お裁縫のさいにチャコペンシルのかわりに使っている方もいますが、アイロンを使うタイミングにはくれぐれもご注意を。

https://twitter.com/youmou_s/status/1334051518857678848
https://twitter.com/hbdkZvqV0mvhMXW/status/1248908575507791874

フリクションの文字が消えた時の対処法

熱によってフリクションの文字が消えてしまった時は、対処法があるのでしょうか。色は戻るのでしょうか。

パイロットのサイトによれば、フリクションインキの温度変化について

  • フリクションインキが無色になるのは60度以上
  • フリクションインキのもとの色が復元し始めるのがマイナス10度
  • フリクションインキの色が完全に戻るのがマイナス20度前後

とあります。冷たくすることで色が戻る具体的な対処法や詳細をご紹介しましょう。

フリクションで書いた紙を冷凍庫に入れる

フリクションインキが復元するマイナス10度に近い環境は、一般の家庭では冷凍庫が使えます。紙を冷凍庫に入れて冷やすと文字が戻ってきます。冷蔵庫ではなく冷凍庫なので注意。

  1. 消えてしまった紙やノートを濡れないようにビニール袋などに入れて包む
  2. 冷凍室に一晩入れておく

これでフリクションインキの筆跡が戻ります。ただし、すでに消した部分や重ね書きしたところも戻っているはずなので、読みにくくなっているかもしれません。中身をよく確認しましょう。

コールドスプレーをかける

熱中症対策やアイシング、怪我をしたとき、さらにはゴキブリ退治などに使う瞬間冷却スプレー。さまざまなタイプが数百円から入手できます。吹きかけるとマイナス20度になるものもあります。

フリクションは冷やすことで色が戻るので、消えてしまったフリクションの筆跡にコールドスプレーを吹きかけることで色が戻ります。これだと外出先でも使え、冷凍庫に入れるより短時間での復元が可能です。

フリクションが消えないようにする方法は

筆記具や絵画などの場合、上からコーティングをすることで表面を保護し、かすれたり色あせたりして消えないように加工することができます。絵画のフィキサチーフなどの定着剤は、表面にコートすることでかすれを防ぐ役割があります。

一方、フリクションが消えるのは、インクのかすれや色あせではなく、インクそのものが無色透明になるためです。そのため、コーティング剤や定着剤があったとしても、熱の伝達があるかぎりフリクションインキは消えてしまいます。

上に述べたように、さまざまな生活のシチュエーションでフリクションが消える可能性があります。どうしても消したくない情報は、重要書類や宛名と同様にフリクションは使わず、消えないペンで書くことが一番と言えます。

消えたフリクションは何回戻る?

フリクションが消える原理はインクそのものを紙の表面から取り除かれるのではなく、熱がインクを透明にするだけなので、筆跡部分が残り、インクの成分が破壊されない限りは、温度変化で復元できることになります。

パイロットのサイトによれば、フリクションインキの成分が破壊されるのは、極端な高温・強い紫外線の直射が原因となります。

紙の種類、消去用ラバーの摩擦や経年変化によって、紙そのものが摩耗した場合にも、筆跡を元に戻すのがむずかしい場合もあります。

消えたフリクションが戻った時の色の変化は?

思いがけず消えてしまったフリクションの筆跡。

冷却で色が戻ったとき、色はもともと書いたときと同じなのでしょうか。

冷やすことで戻った筆跡のうち、消去用ラバーでこすった部分についてはラバーでインクが広げられてしまい、もともとの筆跡ではないところにインクがついていたり、元と完全に同じ色には戻らないことがあります。

フリクションが消えた時のまとめ

フリクションの筆跡が消えるのは、熱が伝わってインクが無色透明になってしまうことです。フリクションで書いたものを消したくない場合は、

  • 暑い日の屋外、車の中に置かない
  • 熱い食べ物・飲み物が入った容器に接触させない
  • 暖房器具やデジタル機器、アイロン・ドライヤーの熱から遠ざける

など、ノートや書類が熱にふれないように気をつけましょう。

もし消えてしまった場合は

  • 冷凍庫に入れる
  • 瞬間冷却スプレーを使う

ことで筆跡に色が戻ってきます。どうしても復活させたいフリクションのメモは冷凍庫で冷やしてみてはいかがでしょうか。

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