コーヒーには独特な香りがあって、好きな人であれば味だけでなくその香りを楽しむといった傾向もあることでしょう。
今回はドリップコーヒーなどを飲んで出たコーヒーかすの匂いはゴキブリが嫌いという話は本当なのかを見ていくことにしましょう。
コーヒーかすはゴキブリの嫌いな匂いの根拠
エチルフェノール
コーヒーかすがゴキブリの嫌いな匂いとされる根拠は、「エチルフェノール」というコーヒーの香りに含まれる成分にあります。
実はこの「エチルフェノール」はゴキブリが身の危険を感じた時、仲間に伝えるために出すフェロモンと同じ成分を持っているのです。
エチルフェノールはゴキブリが発する警報フェロモンに似ている
ゴキブリが仲間を誘引するために「集合フェロモン」というものを発するのに対して、仲間に危険を知らせる「警報フェロモン」が「エチフェノール」と同じ成分を持っています。
そのためコーヒーかすはゴキブリが嫌う匂いだという根拠が成り立っているようなのですが、コーヒーの香り成分にはそれとは真逆の成分も含まれています。
エチルフェノールの真逆のジメチルジスルフィド
では「エチルフェノール」と真逆の成分は何なのかというと、それは「ジメチルジスルフィド」という成分になります。
「ジメチルジスルフィド」は刺激の強い硫黄や肉の腐った匂いに例えられ、特定悪臭物質に指定されるほど成分単体で考えればコーヒーに含まれるものとは考えたくない成分です。
腐敗臭はゴキブリが好む匂いであり、「ジメチルジスルフィド」はその匂いを含む成分であるということになります。
一杯のコーヒーに含まれる成分の9割以上が「水」であり、残りの1割に満たない中にカフェインなどを含む様々な成分がひしめいています。
1割に満たない様々な成分がコーヒー独特の香りを引き立てているとも言えます。
その中にゴキブリが嫌う匂いの「エチルフェノール」とゴキブリが好む匂いの「ジメチル・ジスルフィド」が同居しているということになるのです。
コーヒの臭いとゴキブリに関する口コミ
ゴキブリに影響はない?
セブンのコーヒーを買おうと思ったはマシーンに複数のゴキブリ…
— となりのまるこ (@maruko956) October 7, 2021
興味深いツイートです。
コンビニのセルフで淹れるコーヒーマシーンに複数のゴキブリがいたということですね。
店内にコーヒーマシーンがあるだけでコーヒーの匂いを感じますが、そこにゴキブリがいたということは匂いに忌避効果がないということかもしれません。
コーヒーの中にゴキブリ
おはようございます😃
— 🏍SILVER@BLACK CBR1000RR🏍 (@SILVERS15R) October 3, 2021
昨日の夜にコーヒーを作って、飲み残したコーヒーを朝飲んだら😱
ゴキブリ🪳が入ってました😱
飲んだ後に気づいたです。w
主成分のほとんどが水であることを考えると液体のコーヒーにゴキブリが入ることも珍しくはないのでしょうか。
ゴキブリは水分が好物でもあるので、家の水回りに出没しやすいですね。
これ以外にもコーヒーの中にゴキブリがいたというツイートがいくつか見られました。
ゴキブリの好きな匂いとは
ゴキブリは水を求める
こちらはニオイではありませんが、ゴキブリは水回りの良く出現します。
ゴキブリが家の中の水回り付近でよく出没する理由は、水を好み求めるからです。
雑食性のゴキブリは食べるものがなくても、水1滴さえあれば3日ほど生き延びると言われています。
家の中の水回りと匂いが好き
- 台所やシンクにある匂い
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台所やキッチン周りにはゴキブリが好むものが揃っています。
水分の他に残飯やその腐敗臭に引き寄せられて、シンクが侵入経路になる可能性もあります。
- 腐敗臭( 残飯や生ゴミなど)
- 玉ねぎ
- ニンニク
- チーズ
- 肉
- 煮干し等の乾物
- 油
- トイレなどのアンモニア臭
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トイレには水分だけでなく便器からのアンモニア臭などを求めて、窓や換気扇やドアの隙間などから侵入してきます。
- 風呂場や洗面所
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風呂場や洗面所もゴキブリの好む水の匂いだけでなく、人の汗や髪の毛などにも引き寄せられて排水溝などに隠れていることもあります。
仲間同士(ゴキブリ)の匂いに反応
ゴキブリの「警報フェロモン」は身の危険を感じて発するものに対して、「集団フェロモン」は仲間を集めるために発するものでゴキブリの糞に含まれています。
またメスのゴキブリからは求愛行動の時に発する「性フェロモン」というものがあり、オスへの誘引効果を持っています。
白檀の匂い
虫除けの効果があると言われる白檀ですがある実験によると水やニンニクに次いで、白檀の線香にゴキブリが引き寄せられるという結果が出ていました。
コーヒーかすにゴキブリ忌避効果は期待できない
コーヒーやコーヒーかすがゴキブリにとって、完全に嫌いな匂いという理由はないように思います。
ここまでの考察をまとめると、
- コーヒーは水分であること
- コーヒーの中にゴキブリの好きな成分が入っている事
これらのことからコーヒーかす(特に使用後に湿っている状態)は水分やニオイを求めてゴキブリが寄って来るという事が考えられます。
生活空間に脱臭効果としてコーヒーかすを使うのも、ゴキブリに対する考え方や置き方によってはリスクが高いかもしれませんね。
ゴキブリの嫌いな匂い
ハーブ系の匂い
ハーブ系アロマオイルの匂いはゴキブリの忌避効果があると言われていますが、中には効果のあまりないものもあるようです。
- 忌避効果の高いもの
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- ミント
- ハッカ
- クローブ
- キャラウェイ
- 柑橘系
- ユーカリ
- レモングラス
- 忌避効果が低いもの
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- バニラビーンズ
- アニス
レモン
dリモネンという成分
レモンの皮にはゴキブリが嫌う匂い「dリモネン」という香りを構成する成分が含まれており、忌避効果があるだけでなくゴキブリの体に付着すると麻痺状態になって動けなくなります。
「dリモネン」はゴキブリに対して殺傷能力はなく、あくまで忌避効果ということになります。
「リモネン」はレモン以外にもオレンジやライムなど柑橘系の皮に含まれているので、忌避剤として柑橘系を絞って水と混ぜながら「リモネンスプレー」を作るのもアリですね。
レモンを使ってスプレーを作る
100ccの水に対してレモン果汁10滴ほどを基本に濃度を調整します。
レモン果汁の割合が少ないと薄くなってしまい効果も弱くなってしまうので、基本的な割合に対して濃い目を意識しましょう。
レモンスプレーは忌避剤だけでなく、部屋の消臭や掃除などにも使用することができます。
塩
ゴキブリは塩分の含んだものを食べたりすることはありますが、塩自体には苦手で近づきません。
水分を好み1滴の水で生きながらえることはあっても、体内の水分を搾取する恐れのある塩は直接食べることはないようです。
ゴキブリを寄せ付けないコーヒーの淹れ方
短時間でコーヒーを淹れる
ペーパードリップ式のような簡単に淹れられるコーヒーならともかく、水出しから始めるダッチコーヒーなどの1滴に時間をかけて抽出するタイプは避けたほうが良さそうです。
ダッチコーヒーは種類にもよるのでしょうが抽出に4時間から長いと8時間ほど時間をかけます。
自宅でダッチコーヒーを使うことでコーヒーの匂いがその間ずっと漂うということは、ゴキブリを誘引するリスクが高まる可能性があるということです。
コーヒーメーカーに長時間コーヒーを保存しない
コーヒーメーカーで作ったコーヒーの飲み残しなどにも注意したほうが良いでしょう。
コーヒーが残ったままでは匂いも残りやすく長時間の放置はゴキブリを誘引するきっかけになる恐れもあるので、早めに飲み切るか、捨ててしまいましょう。
部屋の換気
コーヒーを飲む人にとって味もさることながら香りや匂いを楽しみたいですね。
しかし長時間部屋にコーヒーの匂いが充満しているような状態は、ゴキブリ対策としてはできるだけ避けたいところです。
適度な時間を見て部屋の換気をしておきましょう。
ゴキブリを寄せ付けないコーヒーかすの捨て方
蓋のないゴミ箱へ捨てない
コーヒーかすを水分の残った状態のまま蓋のないゴミ箱へ捨てるのは、ゴキブリが匂いと水分に誘引される恐れがあり危険です。
生ゴミとしてキッチンの三角コーナーに、そのままポイっと捨てるのも避けておいたほうが良いでしょう。
コーヒーかすの匂いを出さない
コーヒーかすを捨てるときは蓋のついたゴミ箱に入れるようにしましょう。
その際に小さなビニール袋などでコーヒーかすを入れてきちんと縛ってからゴミ箱、もしくは大きなゴミ袋へ移してください。
コーヒーかすの色々な使い道
害虫対策
コーヒーかすはアリやナメクジの出そうな場所に撒いておけば、虫よけ効果として再利用できます。
水分の残ったコーヒーかすを天日干しかレンジを利用して、完全に乾燥させた状態で撒きましょう。
持続効果は2日ほどで、雨などが降れば流れてしまいますのでその都度足してください。
除草剤効果
コーヒーカスには除草剤と共通した成分が含まれています。
- カフェイン
- フェノール類
除草剤の代わりとしてコーヒーかすを利用する場合も、サラサラ状態にしてから使うようにします。
ただし本格的な除草剤には敵いませんので、面積の広い場所を除草したい場合には向いていません。
自宅の庭の除草程度として考えておきましょう。
野良猫対策として
家の周りや庭などが野良猫の通り道にされているのであれば、コーヒーかすが猫よけにもなってくれます。
乾燥させてサラサラにしたコーヒーかすを、野良猫の通り道になっている場所に撒いておきます。
1回の持続効果はあまり長くはないので2〜3日を目安にコーヒーかすを追加しておくのが理想的です。
脱臭効果
コーヒーかすには脱臭効果もあるとされ下駄箱やトイレ、冷蔵庫などの脱臭材として再利用ができます。
脱臭剤として再利用する場合もコーヒーかすの水分を取って十分に乾燥させてから、通気性のある手のひらサイズの布袋や目の細かい麻袋などに入れます。
2〜3日の交換を目安にその袋を脱臭したい場所に置き、交換のタイミングで周りを綺麗に掃除しておくことも大切です。
コーヒーかすでもゴキブリは寄って来る
今回はコーヒーかすがゴキブリの嫌いな匂いなのかどうかを検証して話を進めてきましたが、いかがだったでしょうか。
話をまとめますと
- コーヒーかすにはゴキブリの嫌いな匂いと好きな匂いが同居している
- コーヒーかすの忌避効果はあまり期待できない
- ゴキブリは水や水分を求めてくる
- ゴキブリは腐敗臭やアンモニア臭など生活空間に潜んだ匂いが好き
- ゴキブリはハーブ系の匂いが嫌いでdリモネンを含んだ柑橘系や塩も苦手
- 自宅などで淹れるコーヒーは、なるべく短時間で済ませる(場合によっては換気する)
- コーヒかすはゴミ箱やゴミ袋に捨てる前に、小さいビニール袋に入れて縛った上で捨てる
- コーヒーかすを再利用する場合は必ず乾燥させる
ゴキブリがコーヒーかすに近寄る場合は、匂いの成分だけでなく水分を求めていることも考えられますね。
再利用する場合も水分が残っているとゴキブリが近づく可能性もあるので、コーヒーかすが出た場合は、しっかりと密封し捨てるのが無難。
やはり専門のゴキブリ対策セットを購入するのがベストでしょう。
ゴキブリすら寄せ付けたくないと言う人はブラックキャップ(寄せ付けて食べさせる毒餌)とかよりも、まずはバルサンとアースレッドで家中のゴキブリを退治してから、寄せ付けない臭いをばらまいておくのが安心ですね。
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