昔ながらのラーメンといえばチキンラーメン。
そのまま食べても良し、お湯に入れてラーメンとして食べても良し。
そんな万能なチキンラーメンですが、一方で太るとも指摘されています。
そこで本記事ではチキンラーメンは本当に太るのか、そしてその他のラーメンとカロリーや脂質糖質などを詳しく比較しました。
チキンラーメンとその他のラーメンとの比較
チキンラーメンには人を惹きつける美味しい味がありますよね。時折、無性に食べたくなる食べ物の1つにあげられるのではないでしょうか。そんなチキンラーメンですが、他のラーメンと比べると栄養素に違いがあるのでしょうか。
チキンラーメンのカロリーの比較
チキンラーメン一袋(85g)当たりのカロリーは377kcalです。他の人気即席めんの成分表示にあるカロリーを比較すると以下の通りになります。
商品名 | カロリー |
チキンラーメン | 377kcal |
カップヌードル | 351kcal |
シーフードヌードル | 340kcal |
どん兵衛きつねうどん | 419kcal |
出前一丁 | 463kcal |
まるちゃん正麺豚骨味 | 326kcal |
まるちゃん正麺醤油味 | 333kcal |
サッポロ一番塩ラーメン | 455kcal |
麺づくり鶏ガラ醤油味 | 297kcal |
ラーメンの種類によりますが、表によるとラーメンの総カロリーの平均が350~450kcal。よって、チキンラーメンのカロリーが低いわけではありませんが、インスタントヌードルとしては平均的な値です。
一方で、まるちゃん正麺商品と麺づくりのカロリーが低めな理由は麺の種類が影響しています。
一般的なインスタントラーメンにはフライ麺、ノンフライ麺、生麺の3種類があります。生麺を蒸すまでの工程は同じですが、その後麺を油で揚げるのがフライ麺です。
ノンフライ麺は蒸した後、ゆっくりと乾燥させたものを言います。つまり、ノンフライ麺は油を使っていない分カロリーが低くなります。
また、まるちゃん正麺は特許技術「生麺うまいまま製法」を使用しています。麺の生成方法について、東洋水産商品開発1課神永憲課長は下記のように述べています。
『マルちゃん正麺(袋麺)』の麺は、生麺の状態からそのまま乾燥させることで、家庭でゆでたときに生麺の食感に戻るように設計されています。それが特許技術の「生麺うまいまま製法」です。
https://diamond.jp/articles/-/80396?page=2
生麺の状態で乾燥させるため、こちらも油で揚げることはないので低カロリーになっています。
チキンラーメンの塩分の比較
では塩分で比較してみましょう。チキンラーメン一袋当たりの塩分相当量は5.6g。麺とスープに分けると、麺に2.3g、スープに3.3gの塩分が含まれています。
商品名 | 塩分相当量 |
チキンラーメン | 5.6g(麺:2.3g スープ:3.3g) |
カップヌードル | 4.9g(麺:2.4g スープ:2.5g) |
シーフードヌードル | 4.7g(麺:2.2g スープ:2.5g) |
どん兵衛きつねうどん | 5.2g(麺:1.6g スープ:3.6g) |
出前一丁 | 5.9g(麺:1.8g スープ:4.1g) |
まるちゃん正麺豚骨味 | 5.6g(麺:1.5g スープ:4.1g) |
まるちゃん正麺醤油味 | 5.6g(麺:1.9g スープ:3.7g) |
サッポロ一番塩ラーメン | 6.1g(麺:2.2g スープ:3.9g) |
麺づくり鶏ガラ醤油味 | 6.2g(麺:2.0g スープ:4.2g) |
全体の塩分相当量はほとんど違いがありません。しかし、麺とスープに含まれている塩分の比率が違います。表からわかるように、カップヌードルやシーフードヌードルはチキンラーメンと同様に麺とスープに含まれている塩分に大差はありません。一方で、まるちゃん正麺製品や出前一丁などの製品は麺よりもスープに2g程度多く塩分が含まれています。
加えて、麺に含まれる塩分のみを比較してみると、チキンラーメンの麺に含まれている塩分は2.2g。1g台のものもあるので、チキンラーメンの麺に含まれている塩分は比較的多めといえます。
チキンラーメンの脂質の比較
それでは、脂質はどうでしょうか。比較すると以下の通りです。
商品名 | 脂質量 |
チキンラーメン | 14.5g |
カップヌードル | 14.6g |
シーフードヌードル | 13.6g |
どん兵衛きつねうどん | 16.9g |
出前一丁 | 17.9g |
まるちゃん正麺豚骨味 | 6.6g |
まるちゃん正麺醤油味 | 4.6g |
サッポロ一番塩ラーメン | 18.6g |
麺づくり鶏ガラ醤油味 | 5.4g |
まるちゃん正麺食品と麺づくり以外のインスタントラーメンの脂質量は13~18gです。チキンラーメンの脂質量は14.5gと平均値、または平均の中でも少ない方です。しかしこの値は、ノンフライ麺を使用している麺づくりやまるちゃん正麺商品の2倍以上です。原因はチキンラーメンがフライ麺であることが考えられます。
チキンラーメンの糖質の比較
糖質について、厚生労働省は以下のように規定しています。
炭水化物は炭素と水素の化合物で、たんぱく質、脂質と並ぶエネルギー産生栄養素のひとつです。食物として体内に取り入れられエネルギー源となる糖質と、体内の消化酵素では消化できない食物繊維があります。
厚生労働省
つまり、炭水化物は体内でエネルギーとして使われる糖質と消化できずそのまま排泄される食物繊維に分かれます。糖質の具体的な数値がそれぞれのラーメンに記載されていないので、ここでは炭水化物の値を代用します。
商品名 | 炭水化物量 |
チキンラーメン | 53.6g |
カップヌードル | 44.5g |
シーフードヌードル | 45.5g |
どん兵衛きつねうどん | 57.9g |
出前一丁 | 66.7g |
まるちゃん正麺豚骨味 | 55.7g |
まるちゃん正麺醤油味 | 62.8g |
サッポロ一番塩ラーメン | 61.9g |
麺づくり鶏ガラ醤油味 | 53.1g |
炭水化物量は平均して45~60g。
チキンラーメンは53.6gなので平均的であるといえます。
チキンラーメンのタンパク質の比較
商品名 | 炭水化物量 |
チキンラーメン | 8.2g |
カップヌードル | 10.5g |
シーフードヌードル | 8.9g |
どん兵衛きつねうどん | 8.8g |
出前一丁 | 8.7g |
まるちゃん正麺豚骨味 | 10.9g |
まるちゃん正麺醤油味 | 10.1g |
サッポロ一番塩ラーメン | 10.1g |
麺づくり鶏ガラ醤油味 | 9.0g |
タンパク質量は平均して8.5~10.0g前後。
チキンラーメンには8.2gのたんぱく質が含まれているので、他のラーメンよりはタンパク質量は少なめです。
チキンラーメンは太るのか
一見するとインスタントラーメンとしては平均的な値が多いチキンラーメン。チキンラーメンがほかのインスタントラーメンより太る原因となることは無さそうにみえますが、食べるタイミングや量、付け合わせを誤ると太る原因となります。
日本医師会のホームページにはそれぞれの栄養素について下記のように記しています。
炭水化物は、主にエネルギー源になります。とり過ぎると、脂肪として必要以上に体に蓄積されます。脂質は、主にエネルギー源として使われます。脂質を多くとりすぎるとカロリーオーバーになりやすく、生活習慣病にかかりやすくなります。タンパク質は、主に筋肉や臓器、血液をつくる材料になります。身体のいろんな部分もたんぱく質でできていますが、「必須アミノ酸」は体内ではつくれません。私たちはそれを食事で補っているわけです。
日本医師会
炭水化物や脂質はエネルギーとして使われなければ、体内に脂肪として蓄えられるだけで、太る原因となります。
また、日本人の食事摂取基準によるとタンパク質の1日摂取推奨量50~60gです。
1食をインスタントラーメンにすると圧倒的に栄養の偏りが生じ、体に悪いです。加えて、タンパク質が少ない食事は筋肉量を減少させ、結果的に痩せにくい体を作ります。
チキンラーメンでなるべく太らないようにする食べ方
チキンラーメンの食べる際の注意点は、食べるタイミングや量、食べ方、付け合わせ。これらに注意することで、太らないようにすることができます。
食べる量
インスタントラーメンだけでお腹がいっぱいにならず追加で何か食べていませんか。追加で食べるものとして多くあげられるのは、パンやおにぎりではないでしょうか。農林水産省の「食事バランスガイド」では1日の目標エネルギー摂取量が決められています。
活動量の少ない成人女性の場合は、1400~2000kcal、男性は2200±200kcal程度が目安です。活動量が普通以上の成人女性は2200±200kcal程度、男性は2400~3000kcal程度が目安です。
農林水産省食事バランスガイド
それぞれの1日の活動量によって3タイプに分かれていますが、自身の活動量以上のエネルギーの摂取は太る原因になります。市販のおにぎり1個でおおよそ200kcalあります。
よって、おにぎり1個とチキンラーメン1袋食べただけで、700kcal近く摂取したことになります。これは、活動量が少ない成人女性の1日の1/3~半分ほどのエネルギー量と同等です。油断しているとあっという間に食べすぎとなってしまいます。
また、特にダイエット中は普通のチキンラーメンではなく、チキンラーメンMiniに置き換えるのはいかがでしょうか。お椀やマグカップサイズの量にはなりますが、カロリーは91kcalと少なめ。気を遣わずに食べることができます。
食べるタイミング
太りやすい食事のタイミングは、夜や夜中です。夜中に少し小腹が空いたからと夜食にチキンラーメンを食べている方も多いのではないでしょうか。
夜食に食べると一番太りやすいといわれています。
夜間は日中に比べると圧倒的に活動量が少なく、そこに高カロリーのものを摂取するとエネルギーを消費しきれず、脂肪として蓄えられやすくなります。
また、ビーマルワンというたんぱく質は、脂肪の合成を促し、新たな脂肪細胞を作り出す働きがあります。
このビーマルワン、夜22時~深夜2時頃に分泌が高まるといわれており、この時間帯の食事はより脂肪が増えやすいといえます。よって、太らないためにも夜食としてチキンラーメンを食べるのはおすすめしません。
よく噛む
北海道大学のホームページには下記のように記されています。
よく噛むことが, 満腹感が早期に得られ食事量が抑えられること,食欲に関わるホルモン分泌に影響すること,食後のエネルギー消費量を増加させることで肥満の予防につながることが科学的に実証されてきました。
北海道大学
特にチキンラーメンの麺は柔らかく、すぐに飲み込みやすいです。しかし、よく噛むことで、満腹感を早くえることができ、食べすぎ予防となるため、意識して行うのもポイント。
スープは残す
ラーメンと一緒にスープもすべて飲み干していませんか。チキンラーメンのスープだけに含まれるカロリーは42kcal。スープを飲まずに、麺だけ食べる方法で42kcal減らすことができます。
加えてスープには塩分が多く含まれています。スープがしょっぱいと感じる人もいるのではないでしょうか。Long Zhou氏らは塩分摂取と肥満の関係性について次のように述べています。
塩分摂取量は、日本、中国、英国、および米国において、BMIおよび過体重/肥満の有病率と正の関連があり、塩分量減少はBMIの低下をもたらします。
https://spiral.imperial.ac.uk/handle/10044/1/70200
上記の論文は「American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版」にも掲載されています。
よって、スープを残すだけで塩分摂取を最低限にすることができ、BMI上昇を抑制することも可能です。長期的な視点でみればダイエットにも関連しています。
付け合わせ
そのまま食べるだけでも美味しいインスタントラーメンですが、全般的な野菜不足とタンパク質不足が問題です。前述にたんぱく質について記載している通り、たんぱく質が不足していると太りやすくなります。
さらに、栄養素の不足は体が脂肪を貯めこみやすくする原因ともなります。
そのため、炒め野菜や蒸し野菜を加えたり、たんぱく源となるゆでたまごをトッピングに追加してみるのもおすすめです。
付け合わせとして、これらのものを取り入れると満腹感も得られやすいです。
加えて、野菜をはじめにとるとインスリンの急激な上昇を抑えることができ、糖尿病予防にもなります。
チキンラーメンまとめ
体に悪いといわれがちなチキンラーメンですが、食べ方、食べる量やタイミングを注意することで、太りにくいように食べることができます。
また、チキンラーメンだけでなく一般的なインスタントラーメンを食べる際もこれらの注意点は応用することができます。ダイエット中、体重増加が気になってなかなか手を出せない方もいると思います。
そういう場合は、ぜひ、チキンラーメンMiniなどあらかじめ少量販売されているものの活用や、野菜を追加し栄養バランスを意識するなどさまざまな工夫をしてみてください。
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