パックご飯は自炊に比べて調理時間を大幅に短縮できる上にレンジで加熱してすぐに食べられるので非常に便利ですね。
しかし長期保存が常温で可能なことから添加物に由来して体に悪いのではないか、不安に思う人たちも少なくないようです。
パックご飯が体に悪いと言われる理由
常温で長期保存できる
常温で長期保存できることから体に悪い添加物が入っているのではないかと思われている部分もあるようですが、実際には体に影響を及ぼすようなことはありません。
保存料として扱う添加物にはメーカーやパックご飯の種類によっても異なりますが、ほとんどの場合変わりません。。
保存のための添加物について
酸味料
パックご飯の酸味料には風味などを長期保存させるための役割があります。
酸味料にはいくつか種類がありますがパックご飯に使用されるものはグルコン酸や乳酸、クエン酸などです。
ph調整材
ph調整材は細菌の発生や増殖を抑える静菌作用を持つのでパックご飯においては、ph値を下げて酸性を強くすることで食中毒菌の発生を抑える働きがあります。
- ph調整剤は食品添加物
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食品の保存目的により酸性、アルカリ性のバランスを調整
- ph水素イオン濃度は1から14までの数値で表される
-
数値が7で中性となり、それよりも低ければ酸性で高ければアルカリ性
- ph調整効果のある酸味料
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- グルコン酸
- 乳酸
- クエン酸など
酸味料もph調整剤も、殺菌作用や長期保存目的で酸性寄りにするという部分は共通していますね。
ph調整剤への不安要素とは
静菌作用の特性から腸内細菌への影響や、ph調整剤の種類の中の一つであるリン酸の摂取による人体への影響が不安視される要素もあるようです。
しかし、リン酸の摂取の元となるのは普段の食事程度の範囲がほとんどとされ、食品添加物からの摂取率は微細とのことです。
サイトリンク:ph調整剤について
パックご飯に使用される容器
使用される容器の匂いが気になって不味いと感じる人も一定数存在しており、ご飯に混じった匂いから体に悪いと思われることもあるようです。
パックご飯の種類によっては容器と表面の包装フィルムの間に使われる接着剤が匂いの原因になっていることもありますが、体に悪いものが使用されてることはありません。
パックご飯が腐らない理由
無菌状態を維持した製造工程
パックご飯の製造工程は各メーカーが持つ独自工程などがありますが、およそ以下のようになります。
- 原料となる米の調達
- 精米する
- 異物などがないか選別する
- 洗米と浸漬
- 計量とトレー充填
- 殺菌のための加圧加熱
- 炊飯
- 無菌状態でのシール包装
- 蒸らした後に冷却
- 検品(品質チェック)
無菌状態での製造工程は雑菌の侵入防止や、酸化して腐らないための基本的な絶対条件と言えるでしょう。
酸素を取り除く
クリーンルームでのシール包装では、炊き上がった米の容器内の空気を窒素に置き換える作業が含まれます。
容器内に少しでも酸素が混じってしまうと、中の米が時間経過とともに酸化しながら風味などが落ちてしまうため、完全に酸素を取り除いておく必要があるのです。
パックご飯にはこれらの工程により保存をきかせているのです。
2種類のパックごはん
パックご飯には「無菌包装米飯」と「レトルト米飯」という2種類が存在します。
- 無菌包装米飯
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- 製造の炊飯前に殺菌
- 無菌状態を作り炊飯
- 賞味期限は8ヶ月から10ヶ月
- レトルト米飯
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- 米をトレーに充填した後に加圧と加熱して殺菌
- 賞味期限は1年
- 長期保存可能で非常食にも向いている
製法に違いがありますが、製品の安全面は共通しているのでどちらも安心して食べることができます。
パックご飯の添加物は体に悪いのか
体への影響は無い
パックご飯に含まれる添加物は、先の項目でもお話ししましたが製品の長期保存を目的にしているものばかりで体への影響はありません。
添加物の有無はパックご飯のパッケージ裏の表示項目で確認することができます。
不安な場合は無添加を
添加物には主に酸味料、ph調整材とういう表記が基本となり、そこから具体的にどのようなものが入っているかはメーカーでは表記義務がないためわかりません。
少しでも添加物が気になる場合は、パックご飯のパッケージなどを見て保存料などを使用していない無添加製品を選ぶと良いでしょう。
酸味料不使用・無添加
パックご飯の食べ過ぎはどうなる
毎日食べても大丈夫
パックご飯を仮に毎日食べたとしても健康を害したりするようなことは、まずないと言って良いでしょう。
1人暮らしなどで自炊が面倒という理由でパックご飯を選択することも、おかずとのバランスを考えながらであれば決して悪いことではありません。
さらに添加物の入っていないパックご飯であれば、自炊したご飯とほとんど栄養面などでは一緒と考えて大丈夫です。
コスパは良くない
毎日白米を食べるという人にとってはパックご飯は、自炊に比べると経済的な負担が少々心配になるかもしれません。
お米にこだわったり無添加のパックご飯は添加物の入ったものに比べて、値段が高い傾向にあります。
長期的な目線で考えて調理に面倒がなければ、自炊をおすすめします。
容量を確認する
パックご飯は1パックの内容量に種類があり150gから200あたりが中心で少ないものでは130g、多いものでは300gなどがあります。
基本的にパックご飯はレンジで加熱した後は食べ切ることが前提で、残った場合の保存や再加熱のようなことはメーカーも推奨していません。
お茶碗でいうと1杯が大体150gほどになり茶碗の大きさ次第では200gといった感じですので、普段食べる量を考えてパックご飯の適量を選びましょう。
賞味期限切れのパックご飯は食べられる?
賞味期限をチェックする
パックご飯の賞味期限は8ヶ月から1年程度となっており、サトウのごはんであれば製造日から1年とされています。
長期保存ができるパックご飯ですが、購入前に製造日や賞味期限を確認しておくことも大切です。
備蓄用に購入するのであれば製造日の新しい方が安心感がありますね。
賞味期限表示は品質保存が比較的長いものが対象となり、期限切れだからといってすぐに食べられなくなるということはありません。
数ヶ月の期限切れであれば問題ない?
保存食はチェック忘れがち。パックご飯10個が6月で賞味期限切れ。捨てるのは忍びないので取り敢えず1個レンチンしてみた。色あせはあるけど香りと味に問題ない。明日からランチで食べ切ろう。
— 柚実@オカルト🍮8軒目 (@yumi2ndyumi) October 29, 2020
賞味期限が切れたとしてもすぐに食べられなくなるということはなく、未開封のものであれば数ヶ月程度なら問題はなさそうです。
賞味期限10ヶ月でも大丈夫?
ブラックアウトから3年か。
— わに (@mtn_ntm_) September 6, 2021
あれ以来すっかり備蓄が習慣化したのはいいけど、本当にマメに入れ替えないとパックご飯なんかはあっという間に期限切れちゃうからね。
先日もうっかり10か月前に賞味期限切れしたやつ食べたよ。(体調に問題ナシ)今後はローリングストックのスキルを身につけなければ。
賞味期限切れを食べるというボーダーラインはある意味自己責任も伴いますが、賞味期限を10ヶ月を過ぎても食べられるのはちょっと驚きです。
とはいえ、期限切れも保存の状態次第では程度にも違いがあるので慎重に判断した方が良いかもしれません。
サトウのごはんFAQ
サトウのごはんに食品添加物は入っている?
サトウのごはんの原材料表示は「うるち米」のみで、いわゆる一般のお米だけで製造されておりその他の食品添加物などは使われていません。
サトウのごはんの場合代表的な「新潟県産コシヒカリ」を始め、お米の産地や種類なども記載されているので非常に安心して選ぶことができます。
サトウのごはんを赤ちゃんは食べられる?
サトウのごはんは無添加であるため、お米を食べられる1歳児くらいからであれば問題ないと思います。
ただし1歳児からだといっても赤ちゃんがしっかり噛んで食べることができるまでには個人差がありますので、様子を見ながらということにもなりますね。
サトウのごはんを食べさせる場合でも、正しい保存状態からレンジで加熱して出来上がりが硬くならないようにしましょう。
サトウのごはんを毎日食べるのは大丈夫?
先の項目でも述べたとおりパックご飯を毎日食べても問題はありませんので、サトウのご飯も同じことが言えます。
添加物がないため基本的には普通のお米を食べている状態と変わりありませんが、サトウのごはんはパックご飯の中でも少々値段が高めです。
毎日サトウのごはんを食べ続けるのは自炊に比べると、経済的に高く付く可能性が大きいです。
安心してパックご飯を食べるための選び方
原産地や種類がわかるもの
米の原産地や種類がしっかりと表示されているものは安心材料の一つとなりますね。
近年でも米の産地偽装事件が発生していますが、パックご飯の購入の際にも表示された米がどこのものなのかをしっかり確認しておくことは大切です。
仮にパッケージなどに米の産地や種類がどこにも表示されていない場合は、なるべく購入を避けて米の種類がわかるものを選ぶようにしましょう。
容器の種類
パックご飯には使用される容器が「ラミコンカップ」と「オキシガードカップ」という2種類あります。
- ラミコンカップ
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- 酸素を通しづらい樹脂を容器の間に層を作ることで、長期保存が可能
- パックごはん以外には味噌やゼリーなどの容器にも使用される
- オキシガードカップ
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- 酸素吸収性のある素材を使用
- 外側に酸素を通しづらい層、内側にポリプロピレンやポリエチレンなどを重ねている
- ラミコンパックと比べて同じ殺菌状態にして加熱しても変色などの影響を受けづらく、安定した保存が可能
容器の取り扱い
パックご飯は無菌状態の容器によって長期保存が可能となっていますので、取り扱いの際は容器に強い衝撃や蓋となるフィルムを鋭利なもので傷つけないようにしましょう。
保管中に傷がついてその隙間などから酸化が進み、腐敗の原因になる可能性があります。
調理方法の確認
パックご飯のほとんどはレンジで加熱するか、湯煎で加熱する方法になります。
レンジの場合は多くの場合2分程度の加熱で湯煎の場合は15分から20分といったところになります。
パックご飯を購入しようとする前にパッケージにきちんと調理方法が記載されているか、確認しておくと良いでしょう。
食品添加物が入っていないパックご飯
サトウのごはん新潟県産コシヒカリ
なんといってもパックご飯の代表格はサトウのごはんではないでしょうか。
「新潟県産コシヒカリ 200g」はスーパーやコンビニでも目にする機会が多いかもしれませんね。
内容量も200gでパックご飯の中では標準的ではありますが、人によっては少ない、多い、と感じることもあるでしょう。
サトウのごはんの内容量は他にも130gから300gまでバリエーションも豊富なので、好みの量を選ぶことが可能です。
ウーケ 天然水仕立て ふんわりごはん 北海道のお米 ゆめぴりか
北海道産の「ゆめぴりか」というお米を使用しており、クチコミでも概ね「美味しい」という評価が上がっています。
食感と水分のバランスが良いという評価に対して一部では米にクセを感じる人もいるようです。
東洋ライス タニタ食堂の金芽米ごはん
従来の白米に比べると金芽米は少量で同じ量が炊き上がるので、白米の摂取カロリーに対して1割ほど減らすことができるそうです。
旨みや甘味が高くてカロリーオフできるというメリットは、カロリーの気になる人にとっても選択肢として十分にオススメできます。
アイリスオーヤマ 低温製法米のおいしいごはん
15度以下で管理から製造工程を行う独自製法によって、ふっくらとした甘みのある美味しいお米に仕上がっているようです。
原産地表記はありませんが国産米100%ということで心配になる要素はほとんどないでしょう。
クチコミでは容器の形は食べやすくプラスティック臭もなく、美味しく食べたという評価がありました。
内容量はおにぎりサイズの120gから180gまでと、サトウのごはんに比べると少量と感じるかもしれませんね。
パックご飯は体に悪くない
今回はパックご飯について色々とお話ししてきましたがいかがでしたでしょうか。
パックご飯が体に悪いとされる理由は添加物が入っている事や容器の匂いなどがありましたが、実際には直接体に影響を及ぼすような危険度はないということです。
現在一般市場に出ているパックご飯でも大きな心配はないと思いますが、国内の大手メーカーのものであれば安心度も増すのではないでしょうか。
添加物がどうしても気になるのであれば、無添加のパックご飯を選択することで解消できますね。
まあ、そんな危険なものならとっくに販売していないんですけどね。
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