小学生の自由研究のテーマとして多く挙げられるのが塩の結晶作り。
今では学校の宿題として、塩の結晶づくりが出されることも多くなってきています。
そこで本記事では、「自由研究で良い評価を得るための塩の結晶の作り方」、そして「塩の結晶をいち早く完成させるための方法」を解説しています。
塩の結晶づくりの概要
完成する期間
塩の結晶作りは、小学生であれば誰でも簡単にできる実験です。
塩の結晶ができる期間は最短で2日程度。
完璧に結晶化させるには2週間程度かかります。
塩の結晶ができるメカニズム
塩の結晶に使用するのは食塩。
食塩というのは、ナトリウムイオン、そして塩化物イオン。
これらの性質を利用する事で結晶を作ることができます。
ナトリウムイオンと塩化物イオン、この2つの成分は「引っ張り合う性質」により、規則正しく綺麗な形で結晶化します。
塩の結晶の作り方
準備するもの
- 塩と水を入れる容器2つ
- 食塩・・・40g
- 水道水・・・100ml
- まぜる棒
上記の量はあくまでも1人が実験するための量。
結晶を作る量に応じて、上記の分量を2倍3倍と変更してください。
手順1 食塩水を作る
上記の量だけ食塩水と水道水を準備したら、まぜて食塩水を作りましょう。
水道水が100ml に対し40グラムの食塩を入れることにより飽和水溶液を作ることができます。
この時に容器の底に溶けきらなかった塩が出ると思いますが、底にたまった塩が入らないようにもう1つ用意してある容器に食塩水を移し変えます。
結晶を作るための食塩水は、塩が溶けきっている方の食塩水を使用します。
手順2 日向において蒸発させる
食塩水を日向において時間をかけて蒸発させていきます。
すると水が蒸発するにつれ、塩の結晶ができてきます。
なぜ塩の結晶ができるのか
これは飽和水溶液を使用していることが理由です。
飽和水溶液というのは、これ以上成分が溶けきらなくなった水溶液の事。
上記の食塩水は、水100ml に対し40グラムを入れたことにより、飽和食塩水を作ることができました。
その証拠に、食塩が溶けきらずに底に溜まりましたよね。
これは水100ml に対し塩が溶けきる限界値が来たため、食塩が溶けきらなかったのです。
ですから言い換えれば、水の量に対し100%の塩が溶けきっているという事。
ちなみに水100mlに対し食塩が溶ける量は36グラム。
今回の実験では、底にたまっていた食塩の量は4gという計算になります。
そして、この食塩水を蒸発させることにより、水と塩の量のバランスが崩れます。
水に対し、塩が限界まで溶けているにもかかわらず、蒸発により水分が少なくなってしまいました。
すると塩が姿を現すようになります。
100ml の水に対し36グラムの塩が溶けている状態が飽和食塩水。
たとえば、10ml の水が蒸発した際、残っている食塩水は90ml 。
ところが塩は蒸発できないため、変わらず36グラムあることになります。
飽和食塩水は36%の食塩しか溶けることができないため、水90mlに対し36グラムの食塩が溶けるはずはないですよね。
飽和食塩水の塩分濃度は36%なので、水分90mlでは32.4g の食塩が溶けるのが限界値。
この余ってしまった食塩が結晶となって現れるのです。
初め食塩水の中にあった食塩の量は36グラム、現在水が10ml 蒸発してしまった時の塩分が溶ける限界値は32.4gなので余ってしまった3.6g が結晶化するということですね。
ちなみにきれいに結晶化する理由は上記でも説明したように、物質を構成している原子や分子、イオンに規則正しく並ぼうとする性質があるためです。
原子や分子、イオンの間には引き合う力が働いていて、一般的にはもっとも密な状態になろうとして規則的な並び方をします。
この状態が結晶です。
塩の結晶で自由研究をするなら!
ただ単に塩の結晶を作るだけでは、自由研究として物足りないかもしれません。
塩の結晶で良い評価を得るためには、少し工夫をしてみましょう。
準備するもの
- 水1リットル
- 食塩400g
- 割り箸
- 針金
- 木綿糸
これを準備します。
針金に木綿糸を巻き付け、針金を好きな形にデザインしましょう。
次に沸騰させた鍋に食塩400グラムを入れます。
このときに沸騰しすぎて蒸発させすぎないようにしましょう。
沸騰させていくと塩の結晶が現れて来るはずです。
そこでさきほどデザインした木綿糸がついている針金を用意。
このように割り箸にデザインした針金を垂らし鍋に入れていきます。
その鍋をゆっくり一日以上かけて冷ましていきましょう。
すると、デザインした針金に塩の結晶がくっ付き、雪の結晶のようなデザインされた塩の結晶を作ることができるのです。
塩の結晶だけではなく、このようにデザイン性も入れていくことにより、評価される自由研究となること間違いなし。
塩の結晶もにも一工夫の実験を!
上記のようにただ単に塩の結晶を作るだけではなく、デザインした塩の結晶を作る実験を取り入れることにより、自由研究の評価もぐっと上がります。
学校では、このような創意工夫が評価されるため、上記の実験はきっと自由研究の役に立つはず。
簡単でしかもかわいく作れるので、ぜひやってみてくださいね。
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