国が運営するある宝くじ。
お金を支払ってお金を得る、いわゆるギャンブルなのですが、国が運営している公正な賭けのため、誰でも限度さえわきまえれば楽しむことができます。
特にスクラッチの宝くじはその場で削って楽しむことも可能です。
では宝くじは何歳から購入できるのでしょうか。
また、もし高額当選した場合、未成年は自分で受け取ることは可能でしょうか。「親に内緒で」というわけにはいかないのでしょうか。
この記事では未成年の宝くじについて解説してます。
宝くじは何歳から買える?
パチンコや競輪、競馬などの公営ギャンブルは法律によって行える年齢きまっております、宝くじに年齢制限はあるのでしょうか?
パチンコやパチスロ、風俗営業と呼ばれるものは18歳未満への購入制限があります。
公営ギャンブルの
- 競輪
- 競馬
- ボートレース
- オートレース
は、20歳未満への購入制限が法律で定められています。
従ってサマージャンボや年末ジャンボなどの宝くじ、スクラッチ、ナンバーズ、ロト6は未成年者でも原則として購入可能ということになります。
未成年が宝くじを購入しようとすると?
2020年11月24日から12月25日までの期間で販売された年末ジャンボの1等賞金は7億円で、前後賞が1億5000万円、1等前後賞合わせて10億円でこの賞金額に夢を感じるのは大人だけではないでしょう。
数字の読み書きができる年齢の子供でも「億」という額がものすごく大きくて、「くじ」で当たるとなれば買うことはなくてもワクワクするかもしれませんね。
未成年者が夢を感じながら単独で宝くじを売り場に行って購入しようとしても、残念ながら断られる場合が多いようです。
しかし学生だと宝くじの購入はできないわけでなく大学生であれば全く問題なく購入できますし、見た目が大人っぽい高校生が私服だった場合は購入できてしまうことはあるかもしれません。
しかし、制服姿の学生や、小学生はほとんど売り場で断られてしまうのが現実と言えるでしょう。
宝くじに年齢制限がないといっても、売り場によっては18歳未満の購入を禁止する旨を表示していることもあるようですね。
宝くじには種類によって未成年者の購入が禁止されているものもあり、販売する店側でトラブルを避けるために自主規制を行なっているためだといって良いかもしれません。
公営ギャンブルでなくても、公に対するモラルや健全な印象を保つためとも考えられます。
宝くじの当選金は未成年でも受け取り可能?
当選金の受け取り方
1万円以下及び5万円以下
宝くじの当選金は1万円以下ならどこの販売店でも受け取れますし、5万円以下の場合は店頭に5万円マークの看板があれば受け取ることができます。
当選金額が1万円から5万円までは、未成年者でも店頭で受け取れる可能性はあるかもしれませんが、1万円を超える当選金は5万円マークのお店以外では、みずほ銀行本支店の受け取りとなっています。
また、5万円を超えた場合は受け取りのために当選した宝くじの裏面に、氏名と住所を記入する必要があります。
50万円を超える場合
運転免許証や健康保険証等の本人確認書類が必要となり、顔写真の無い書類しかない場合については追加書類が必要になることもあるようです。
現実的に未成年者が50万円を超える当選金を受け取るにはちょっと無理が出てきますね。
100万円を超える場合
50万円を超える場合の書類の他に本人の印鑑が必要で、当選金の受け取りには手続きの都合次第では1週間程度かかることがあります。
経験はありませんがこの辺りの当選で必要書類と印鑑を用意して銀行へ受け取りに行く行為は、大人でもワクワクの比率よりも緊張の方が高そうです。
財産管理という法律
高額当選の場合、本人確認が必要なだけでなく、民法で親権を持つ者が子供の財産を管理することが定められているために未成年者が単独で高額当選金を受け取ることはできないようになっています。
民法第824条
親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。
ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。
未成年者が宝くじを購入して高額当選しても、「親に内緒で」というわけにはいかないということですね。
高額を手にして何かを買うにも、場合によっては税金対策も必要になってしまうので未成年の子供が大人と同じような買い物をするには親権者の同意が必要になるのです。
子供の当選金は誰のもの?
未成年の子供が購入した宝くじが仮に当選した場合についてですが、「当せん金付証票法」に年齢制限の記載がないため当選金は購入した子供のものになります。
しかし、先述のように高額当選金の受け取りは未成年者一人ではできないのも事実です。
法律の上では、子供が購入した宝くじの当選金を子供自身の意思だけで自由に使うことはできませんし、だからと言って親がその当選金を親自身の都合で使うこともできないことになっています。
実例はまだないようですが、仮に子供の購入した宝くじが億単位で当選してしまった場合などはかなり慎重に扱うことになりそうですね。
この場合、例えば子供が成人するまで子供の通帳に納めておくだけというのにも限界がありそうですよね。
親と子の関係に限らず当選金を山分けしようと考えた場合、その仕方によっては贈与税などの課税対象になることもあります。
宝くじに関する法律も年齢制限が制定されていないことや、未成年者の高額当選金に関する部分ではまだまだ改定の余地があるかもしれません。
年齢制限がない宝くじ
宝くじには種類によって年齢制限が付くものがあります。
ジャンボ宝くじ
ジャンボ宝くじや地位域限定くじなどは、購入したくじの番号が抽選方式で当選を決めるものになります。
数字選択式宝くじ
ロトシリーズやナンバーズ、ビンゴ5などは購入の際に自分で番号を選び抽選によって当選が決まるもので、こちらも年齢制限はありません。
スクラッチ
売り場で購入してその場で削れば当たりかハズレがすぐにわかるというもので、こちらも年齢制限はありません。
年齢制限がある宝くじ
スポーツ振興くじ
いわゆるサッカーくじのBIGやtotoがそれになりますが、こちらは19歳未満の購入ができません。
BIGやtotoを扱うスポーツくじの公式サイトでは、19歳未満の購入だけでなく会員登録なども禁止されています。
スポーツくじ約款
19歳に満たない方は、スポーツくじチケットの購入、譲受けまたは払戻金等の受取を行うことができません。
https://www.toto-dream.com/stipulation/agreement.html
購入時に数字だけを追って抽選するタイプの宝くじに比べて、サッカーくじは勝負が対象となり、レースの勝ち負けを対象とする公営ギャンブルに似たものを持っているのかもしれません。
民法改正(成年年齢関係)
2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に法律で改正されます。
民法(成年年齢関係)改正Q&A
法務省のQ&Aの中ではお酒やタバコ、公営ギャンブル等については改正後も20歳のままのようです。
健康への被害やギャンブル依存への懸念から、20歳のまま据え置くようです。
この成年年齢改正に伴う環境設備においても現状ではまだまだ課題が残っているようで、宝くじにおいても年齢制限などの見直しがあるかもしれませんね。
未成年の宝くじまとめ
宝くじは何歳から買えるのか、未成年や学生の購入制限や当選金の受け取りなどについて見てきました。
売り場では通常の宝くじと年齢制限のあるサッカーくじが同じ場所で売られているので、未成年者への制限を自主的に行うのは現時点では最善なのかもしれません。
宝くじは夢を買うという意味でシンプルに見えますが、ギャンブル性がゼロとは言いづらいようにも感じます。
未成年の子供や学生に対して、宝くじや公営ギャンブルについてしっかり説明する環境は少ないかもしれませんが健全な環境づくりは大切です。
現状の法律や2022年の民法改正においても、グレーな部分が今後の課題になりそうですね。
もしあなたの子供が自分の意思で宝くじを買いたいと言ってきたときは、くじの種類や当選金なども含めよく考えて答えてあげましょう。
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