身内に不幸があり喪中の場合におせちや初詣といった行動は常識外れなのでしょうか。
なぜこのように思うのかというと、喪中に年賀状やあけましておめでとうという言葉を出さないからですよね。
ではこのように行動を自粛している際、おせちや初詣といった行動は矛盾していないのか。
喪中と忌中を把握しよう
喪中と忌中の違いを説明できますか?
喪というのは喪服を着ている期間を表し、忌というのは自宅にいて行動を自粛している時の事を指します。
これははるか昔にさかのぼる事、江戸時代、この時代に自分の親が無くなった場合3年は喪中という考えが一般的でした。
現代から考えると、全く想像がつかない長い期間ですが、これが江戸時代にはありました。
明治時代に移行し、3年という期間が長いとされ「続柄」で、こまかく期間がキメられていましたが、昭和に入り、この制度もなくなっていきました。
そして現在に至ります。
以下の部分をしっかりと覚えておいてください。
- 父や母が亡くなった場合49日が忌中
- 一周忌までは喪中
ここあまり把握していない方が多いので、現在はこのようになっているということを覚えてください。
そして、喪中は慶事を自粛するようにということが一般的ですので、年賀状のやりとりや新年のめでたい言葉などを言わないようにということが習わし。
ではこう考えると初詣やおせち料理なども控えた方が良いのではないか。そう思うのが普通ですよね。
たしかに、このような風習に沿っていくと喪中の年末年始はやることが制限されてしまいます。
以下では年末年始にやっていいこと悪いことをまとめています。
やってはダメなこと
お飾り
お飾りとは
- 神棚のしめ縄
- 玄関飾り
- 門松
- 鏡餅
の事を指しています。
なぜこれらをやってはいけないのかというと、基本的に正月のお飾りはおめでたいという意味合いがあるので、これらをやるのは一般的ではありません。
ただし、鏡餅の場合は例外があります。
さきほど説明した忌中と一周忌の違いを覚えているでしょうか。
お正月に鏡餅を飾る場合、忌中は避けるべきです。
ただし、忌中(四十九日)が終われば飾ってもよいとされています。
なぜ鏡餅は例外?
お飾りの場合はおめでたいという意味があります。
故人がいるのにおめでたいというのは少し違和感がありますよね。だから避けられています。
その点、鏡餅の場合は、福を願うという意味があります。
たとえ個人が痛としても福を願うのは別に変な事ではありません。
福を願うものとおめでたいというのは似て非なるものですので鏡餅は良いとされているのです。
おせち料理
おせち料理は一番迷うところですが、これはやってはいけないとされています。
これもさきほどといったように「おめでたい」という意味があるからです。
故人がいるのにおめでたいということはありませんよね。
また、重箱にも深い意味があります。
「重」という文字があるように、不幸が身内に重ならないようにという意味もあります。
ですから、喪中のおせち料理は避けるべきなのです。
また、現在ではこの考えも徐々に薄くなっている事も事実。
というのも、おせちでも重箱は避け、おめでたい紅白のかまぼこを白色だけにするなど、喪中でもおせちを食べられるように徐々に時代は移行してきています。
新年の挨拶や年賀状
これはよく知られている事ですね。
もちろんこちらが喪中だという事を知らない方はあけましておめでとうと普通に挨拶をしてくることもあるでしょう。
その際、返す言葉は
- おはようございます
- こんにちは
- こんばんは
など普通の挨拶を返せば良いです。
返す言葉に困ってしまうという方が「無視をしてしまった。」なんて話もありますが、普通の挨拶で大丈夫。
やっていいこと
年越しそば
年越しそばは食べてもよいです。
おせち料理の場合はおめでたいという意味がありましたが、年越しそばは厄払いという意味があるからです。
ここまでくると何となく「いいこと」「悪いこと」の分別がつくようになってきましたね。
また、そこは細くて長いという事から長生きをするという意味も込められているので、喪中に年越しそばを食べることは全く問題ないのです。
お年玉
お年玉はおめでたいという意味がありますが、これは子供の気持ちを考慮したもの。
ですから身内と相談し、お年玉をあげるかどうか決めてください。
多くの家庭では喪中でもお年玉をあげることが多いです。
子供にとってお正月はやはり特別なもの。
大人はその気持ちを壊したくないですよね。
ですから、お年玉を楽しみにしているお子さんがいるのであれば、相談のもとあげてくださいね。
また、お年玉として渡すのでは無く、その他の費用として渡すことも可能。
そうすればお年玉というのでは無く、必要経費としてお金をあげることができるからです。
初詣は少し特殊
神社の場合
初詣も行っていいのか迷いますよね。
これは少し特殊なので覚えておいてください。
もしあなたが神社に行きたい場合、忌中は基本的に避けましょう。
その理由は、神社の場合「死は穢れ」という考えのもと存在しているからです。
ですが、忌中(四十九日)が終わり、50日目以降であれば神社に行っても大丈夫という考えが一般的。
ですから喪中でも神社は、四十九日が終われば行ってもよいという事になるんですね。
仏閣の場合
ちなみに仏閣の場合は、忌中に行ってもよいです。
仏閣というのは仏教の宗教の儀式を行う場所の事。
ですから忌中ではあるけれども、どうしても初詣に行きたい場合は仏閣に行くことをオススメします。
ちなみに日本で有名な仏閣は以下のもの。
- 山形:羽黒山
- 東京:浅草寺
- 東京:明治神宮
- 三重:伊勢神宮
- 滋賀:比叡山延暦寺
- 京都:三十三間堂
- 京都:禅林寺 永観堂
- 奈良:唐招提寺
- 奈良:東大寺
- 奈良:法隆寺
- 和歌山:高野山
- 広島:厳島神社
- 島根:出雲大社
必ずしも風習に従わなければならないことはない
上記で説明したのはあくまで一般的な喪中の話。
家庭によっては全く気にしないところもあります。
それは現在は一応宗教は持っているものの、実際は無宗教であることが多いからです。
また、故人の意向を汲み取る場合もあります。
故人が明るい方だったとすれば、「きっとこう言うだろう」という意思を汲み取る場合だってあるのです。
たとえば
- おせち料理を食べてワイワイやって欲しい。
- 暗くならないで欲しい。
- お年玉をあげて欲しい。
など、このように故人の意思を汲み取って風習に従わず動く場合もあるのです。
かといって喪中であるにもかかわらず門松を出したりすると近所からは「???」と思われてしまうので、あくまでも家庭内で行うようにしてください。
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