日常生活において何かと便利なワセリン。
ワセリンはカサカサ部分に使用して油分を追加するという事に使われます。
乾燥気味の部分に取れにくいワセリンを塗ることで長時間油分を保つことができます。
しかし逆に言えば、使用後はワセリンを落とすのが難しいというデメリットがあるのです。
ワセリンを使う部分は主に体の部位ですが、体の部位にワセリンを塗ることで、服や髪の毛などにもついてしまい、使用後はとても大変な思いをする方も少なくありません。
本記事ではワセリンの落とし方について解説。
あの取れにくいワセリンも、正しい落とし方さえ覚えることで今までよりも格段に落としやすくする事ができますよ。
ワセリンを落とすための基礎知識
「固まるから」ぬるま湯や水では落ちない
乾燥部分に塗ることで、水分を逃しにくくしてくれるあるワセリン。
長時間ワセリンが残ってくれているのはとてもありがたいですよね。
ワセリンが長時間残り続ける理由は固まることにあります。
固まることによって保水効果は高まりますが、今度は使用後の洗浄に時間がかかってしまうのです。
ワセリンが固まっていると水はもちろんの事、ふだん手を洗うような温度では洗い流すことはできません。
ですから、ワセリンはなかなかハンドソープを使ったり洗顔フォームを使ったりしてもなかなか落ちないのです。
ワセリンが溶け始める温度は40℃~60℃の間。
ワセリン横の温度で温めることによって、ワセリンがついた部分を落としやすくする事ができます。
ワセリンを落とすには水分ではなく「油」も効果的(乳化で落とす)
上記ではワセリンを40℃~60℃にして一旦溶かすことで洗い流すことができるようになると説明しました。
その方法とは別に乳化という方法でワセリンを落とす方法もあります。
ポイント乳化というのは、簡単に言えば油を油で溶かす事。
つまり、ワセリンが塗られている部分に別の油を追加で乳化という現象が起きて固まっているワセリンが溶けだし洗い流しやすくなるという事です。
これはクレンジングオイルの洗浄も同じようなことがいえます。
たとえば皮脂やメイクは、基本的に油分でできています。
それらを落とすためにクレンジングオイルを使用しますよね。
これも油に油を加えて洗浄しています。
もう少し一般的な部分を例に出すとハンドソープです。
ハンドソープには界面活性剤という油分が含まれていますが、皮脂汚れなどはこの界面活性剤の油によって落とすことができるのです。
では「ハンドソープに含まれている界面活性剤ではワセリンを落とすことはできないのか?」と思うかもしれません。
しかし、ハンドソープに含まれている界面活性剤の量では固まっているワセリンを溶かすほどの力はないのです。
界面活性剤の量が多すぎると多くの人が肌荒れなどを起こしてしまう危険性があるため、必要最小限の量しか含まれていないためです。
ちなみに上記で例に出したクレンジングであれば、洗浄重視で作られているのでワセリンを溶かすことができます。
ワセリンの基本的な落とし方をまとめると、
- 熱いお湯で溶かす
- 乳化で溶かす
この2つの方法があります。
この2つの方法を基盤として、様々なシーンで活躍するワセリンの落とし方を見ていきましょう。
顔のワセリンの落とし方と注意点
顔にワセリンを塗りすぎると落ちにくい
顔の乾燥が気になる方はワセリンを多様するかと思います。
また、ワセリンの高い保水力から病院でも処方されるくらいですよね。
カサカサしている部分を対策しようと顔にワセリンを塗りすぎていませんか?
たしかにワセリンを厚塗りすればその分だけ油の壁が厚くなるため、水分を逃がさない力がより強力に働くかもしれません。
しかしワセリンの厚塗りはワセリンの固まる力をより強くしてしまい、落とすときにとても大変な思いをするのです。
ですから、ワセリンは1回で必要以上に練らないようにしましょう。
ワセリンを落とし切らないと肌トラブルの原因に
また、ワセリンを落としきらないと様々な肌トラブルに見舞われる可能性も出てきます。
その一例として過剰油分によるニキビなどが挙げられます。
お風呂に入って石鹸で洗い流した後、見た目は綺麗に落とせているように思えるかもしれませんが、実はワセリンが残っていたなんていう事も…。
さらに顔から流れ落ちたワセリンか背中に付着し、背中ニキビなどのトラブルを引き起こしてしまう可能性もあるのです。
ですがしっかりと落とさなければ、余計な肌トラブルにも見舞われてしまう可能性が出てきてしまうのでご注意ください。
ワセリンを顔に塗りすぎてしまった場合
「顔にワセリンを塗ったらつけすぎてしまったな。」ということはよくある話。
ワセリンを顔に塗りすぎてしまったときも、すぐに対処しておくことで一日の終わりにワセリンを落としやすくする事ができます。
その方法はとても簡単でティッシュなどで油を吸わせれば良いだけです。
ワセリンは水をはじいてしまうのでなかなか落とすことはできませんが、紙類で油を吸わせることは可能です。
これでワセリンをつけすぎてしまったときも安心。
コツとしては、ワセリンは固まりやすいので、指の温かみで一旦ワセリンを溶かしてください。
ティッシュで該当部分をしばらく押さえつけるようにしてワセリンを溶かし、吸収させるとワセリンを拭き取りやすくなります。
人肌でお湯のように完全にワセリンを溶かしきることはできませんが、ふき取る程度に溶かすことは可能です。
顔のワセリンをきれいに落とす方法
ワセリンは綺麗に落とすことが重要です。
上記で説明したワセリンを綺麗に落とす方法を思い出してください。
- 40℃~60℃のお湯で溶かす
- 油を使って乳化させる。
でしたよね。
顔のワセリンを綺麗に落とすときは、40℃~60℃のお湯では肌にあまり良くありませんし、あまりに熱すぎれば火傷をしてしまいます。
顔のワセリンの乳化して落とす方法は色々あります。
- クレンジングオイル
- オリーブオイル
- マッサージオイル
などなど、家にあるものを使用して簡単に顔のワセリンを落とすことができるのです。
ポイント
その中でもクレンジングオイルは顔の洗浄に適した作りになっているので顔のワセリンの落とし方としては一番オススメ。
クレンジングの中でも、ダブル洗顔不要のクレンジングオイルであれば
- 顔のワセリンを落とし
- 皮脂汚れも落とし
- メイクも落とすことができる
ので、全てダブル洗顔不要クレンジング1本でまかなうことができますよ。
ちなみに、オリーブオイルを使ってワセリンを落とした後は必ず洗顔をしてください。
体についたワセリンの落とし方
体は顔ほどデリケートではありませんので、さほど気を使わなくてもダメージを受けることはありません。
ですが敏感肌や乾燥肌の方は、ゴシゴシこすってしまうとセラミドが失われてかさつきがひどくなってしまいます。
体についたワセリンの落とし方は、弱酸性タオルで洗い流すことがおすすめです。
具体的な体についたワセリンの落とし方としては、シャワーを40℃に設定。
そして、普段使っているボディソープと弱酸性タオルを使ってしっかりと泡立てて優しく洗っていきましょう。
ボディソープは洗浄力が強いので、弱酸性タオルと合わせて洗うことでワセリンを落とすことができます。
体についたワセリンを落とすなら、肌に優しいアイテムを多く販売している第一三共ヘルスケアの「ミノンの弱酸性タオル」がおすすめ。
手のひら洗いとミノンの弱酸性タオルのワセリンの汚れの落ち具合を試験したところ、摩擦を抑えスッキリと洗い落とせるという試験結果が出ています。
髪の毛についたワセリンの落とし方と注意点
特に前髪は要洗髪
おでこにワセリンを塗る際、どうしても前髪にたくさんワセリンがついてしまいます。
ですからワセリンを塗っている方の前髪はベトベトしがち。
さらに、適当にシャンプーを行ってしまうとワセリンが常に残り続け、ベトベト髪の原因や、皮脂詰まりの原因、さらにはニオイの原因になるので注意が必要です。
ワセリンをおでこに塗ったときは丁寧にシャンプーをしなければなりません。
その中でも特に前髪はしっかりと洗ってくださいね。
シャンプーでワセリンが落ちない場合はオリーブオイルで落とす
通常、シャンプーにはハンドソープよりも多くの界面活性剤が含まれているので、さらにワセリンを落としやすくなっています。
しかし頑固なワセリン汚れはシャンプーでは取れない場合があります。
そのような時はどうしたらよいでしょうか?
髪の毛についたワセリンが取れない場合は、オリーブオイルの使用がおすすめです。
オリーブオイルは「化粧品用のオリーブ」と「食用のオリーブオイル」がありますが、必ず食用のオリーブオイルを使用してください。
なぜ食用のオリーブオイルが良いかというと、それは純度が高いからです。
食用のオリーブオイルは口に入れるためのものなので、できる限り不純物が取り除かれています。
純度の高いオリーブオイルはワセリンをキレイに落とすだけではなく、同時に髪に栄養を与えることができるので一石二鳥。
逆に不純物が多いオリーブオイルの場合は、不純物により頭皮や髪の毛を痛めてしまいかねません。
髪の毛のワセリンの落とし方と手順
オリーブオイルを使った髪の毛のワセリンの落とし方はとても簡単。
1.まずお風呂場に入り、オリーブオイルを手のひらに大胆に乗せてください。
手のひらに乗せたオリーブオイルを、ワセリンがついている髪の毛部分になじませていきます。
なじませ方は、ゴシゴシとするのではなくてで挟み込むように、そして押す要領で行ってください。
2.次はシャンプーとシャワーで洗い流す
ある程度オリーブオイルが髪の毛に馴染んできたら、シャワーで洗い流していきます。
この時点でほとんどのワセリンは溶けているはずです。
シャワーの温度は40℃以上にしてください。
温度が40℃以上でなければならない理由は、40℃からワセリンが溶け始めるためです。
40℃以上のお湯で髪の毛を濡らし、ふだんのシャンプーを使って髪の毛を洗っていきます。
3.シャンプーをしてもべたつきが取れない場合
髪の毛を洗った後、べたつきが残っているのであれば、再度シャンプーを行ってベタつきを取り除いていきましょう。
ちなみに、このべたつきがワセリンによるべたつきではなく、オリーブオイルによるべたつき。
なので、2回目のシャンプーでほとんどの場合、サラサラの髪の毛に戻すことができます。
あとはドライヤーで乾かして完了です。
これが髪の毛についたワセリンの効率の良い落とし方です。
服についたワセリンの落とし方と注意点
ワセリンの塗りすぎが服への付着を招く!
「肌がカサカサするからワセリンを塗ろう!長時間保水するために少し多めにね!」
このようにワセリン厚塗りしてしまうと、服へのワセリン移りが起きてしまいます。
服にワセリンがついてしまうと、品質が劣化してしまうのはもちろんの事、見た目の良さも損なわれてしまいます。
ポイント
服についたワセリンの落とし方を覚えるのも大事ですが、そもそも服につかないように厚塗りをしないということも大切。
ですが服に着いてしまったワセリンは放置しておいても取れることはありません。
以下では服についたワセリンの洗濯方法について解説しています。
服についたワセリンの洗濯の方法
つけおき洗いでのワセリンの落とし方
ワセリンをつけおき洗いする方法は、通常の洗濯洗剤でもよいですが、より効果的にワセリンを落とすのであればアルカリ性洗剤を使うようにしましょう。
ワセリンを方法は簡単。
- アルカリ洗剤を用意。
- ワセリンが溶けやすい40℃~60℃のお湯を用意。
- バケツや洗面器を用意。
たったのこれだけで服についたワセリンをつけおき洗いする事ができます。
アルカリ性洗剤の使用量はその商品によって容量が異なるので、注意書きや使用方法をご覧になって浸け置き洗いしてください。
ほとんどの場合、約1時間でつけおき洗いは完了します。
その後洗濯機で仕上げをしましょう。
ワセリン専用洗剤での落とし方
ワセリンはその落ちづらい性質のため、ワセリンを落とすための専用洗剤も販売されているほどです。
ワセリンを落とすための専用洗剤はワセリンカットというもの。
ワセリンカットを使用してつけ置き洗いをする事で効果的にワセリンを落とすことができます。
ですからどれだけ気をつけたとしても服にワセリンがついてしまうのです。
その時に役に立つのがワセリンカット。
月に数回、ワセリンを洗うために洗濯するのであれば上記のアルカリ洗剤の浸け置きで大丈夫なのです。
しかしワセリン軟膏を塗るため、どうしても毎日ワセリンを落とすための洗濯をしなければならないという方は、このワセリンカットがおすすめ。
煮洗いでのワセリンの落とし方
つけおき洗いの方が服くが傷みにくいのでオススメですが、服についたワセリンを綺麗に落とすのであれば煮洗いの方が効果的。
ワセリンは高い温度で溶けやすく、さらに高い温度は洗剤の力をより引き出すことができるため煮洗いは効果的には正に落とすことができるのです。
- 鍋に洗剤と水を適量入れます
- 鍋の中に服を入れ、鍋を温め始めましょう。
- 沸騰しそうになったら火を止め、水ですすぎ洗いします。
これで煮洗いは完了です。
しかし高い温度で洗濯をするため、服が傷みやすいというデメリットがあります。
そのワセリンは必要?ワセリンは保湿ではなくバリア
ワセリンは保湿するものではないという事を覚えておきましょう。
ではワセリンは何に使うもの?と思うかもしれません。
ですからもともと肌に水分がないのにワセリンのバリアを厚塗りしてもあまり意味がありません。
効果的にワセリンを使うのであれば、セラミド化粧水を使って水分とセラミドのバリアを張ってからワセリンを使いましょう。
そうする事により、肌に水分が足され、セラミドのバリアが保水し、さらにワセリンのバリアが広範囲のバリアを張ってくれます。
- セラミド化粧水
- ワセリン
の順番が重要。
このように段階を追って保湿していかなければ意味がありません。
ワセリンを厚塗りしても保湿はできないことはもちろん、服や髪の毛にワセリンが残り続けてしまうデメリットの方が多くなってしまいます。
保湿目的でワセリンを塗るのであれば、ちゃんと手順を追って塗ることにしましょう。
多く塗ればそれだけ効果を得られるというのではないのです。
ワセリンは適度に塗るのほうが肌に残ることがないのでやさしいですし、服にもつきません。
ワセリンの適切な使い方をして、ワセリンを綺麗に落とせるようにしていきましょう。
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