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ファスナー(チャック)が閉まらない原因と直し方!修理に出した方がいい場合は?

ファスナー(チャック)が閉まらない原因と直し方!修理に出した方がいい場合は?

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突然ファスナー(チャック)が閉まらないことはよくあります。

この記事ではファスナー(チャック)が閉まらない原因と直し方、そして簡単に治す方法を解説しています。

お気に入りのファスナーが壊れた時に一度お試しください。

目次

ファスナー(チャック)の部位

まず、ファスナー(チャック)の部位を説明します。
一般的な開ファスナーは、テープ、止金、エレメント、スライダー、箱、蝶棒からできています。

ジッパーとも言いますね。

テープ

ファスナーとワンピースやバッグ、リュック、財布などに縫い合わせる布の部分を指します。
素材はポリエステルテープや合繊テープ、この他綿テープなどがあります。

止金

スライダーがエレメントから外れないようにする金属です。
位置によって下止金、上止金と呼びます。

エレメント

ファスナーについているギザギザの歯の部分です。この歯を務歯(むし)と言います。
務歯がかみ合う最初の場所を務歯頭部と呼びます。
務歯頭部から噛み合っていくことでファスナーが閉まります。

スライダー

エレメントを噛み合わせたり離したりする役割を果たします。

止金の下についていてスライダーを止める役割を果たします。

蝶棒

スライダーと箱を連結させる役割を果たします。

次に、ファスナー(チャック)が閉まらない、閉めても開く、途中から閉まらない原因を見ていきましょう。

ファスナー(チャック)が閉まらない原因

原因①スライダーの摩耗

エレメントの務歯に変形や破損の問題が無ければ、金属のスライダーを見てみましょう。

何度も繰り返し上げたり下げたりしているうちに噛合わせる部分が緩んで広がるため閉めても開いたり、エレメントが上手に噛み合わないようになります。

原因②エレメントの変形や破損

スライダーが途中で上がらなくなったり、スライダーが上がったそばからエレメントが離れていったりする逆開ファスナーのような現象が起きたら、エレメントの務歯を見てみましょう。

変形している務歯や、破損している務歯が原因で、エレメントが順序良く噛み合わなくなります。

原因③スライダーが布を噛んだ

柔らかい裏地の付いたスカートや、硬い生地のジーンズ、スライダーが頭合わせのリュックなど、金属のスライダーが布を噛んでしまって動かなくなりファスナーが閉じないことがあります。

原因④スライダーが外れた

原因①スライダーの摩耗が激しくなって、エレメントに留まっておられず、完全に外れてしまった状態です。

原因⑤スライダーの引手が外れた

スライダーについている引手だけ破損して外れてしまう。お気に入りの財布や洗濯ネットによく起こる現象。

引手がないのでスムーズに開け閉めすることができなくなります。

原因⑥体が硬くなって引手に届かない

背中にファスナーがあるワンピースなどで、引手に手が届かなくなってしまい、ファスナーが閉められないことがあります。

原因⑦サイズが合わなくなった

体型がサイズアウトしてしまうと、ファスナーが閉じないことがあります。

閉じなくなったファスナーの直し方

突然閉じなくなったファスナー。外出先や出かける直前に起こると困ってしまいます。

お気に入りの洋服やバッグ、財布やリュックでしたら、捨てずになんとか直して使い続けたいですよね。

交換修理をする前に、ご自分でできる応急処置をご紹介します。

直し方①スライダーの緩みを調節する

ファスナーの開閉で摩耗した金属のスライダーは緩くなって広がっている可能性があります。応急処置として緩みを調節してあげることでファスナーが開閉可能になります。

用意するもの

  • ラジオペンチ
  • 柔らかい布(ハンカチやタオル)

【作業内容】

  1. 柔らかい布でスライダーを包みます。
  2. ラジオペンチでスライダーを挟んで緩みを調節します。
  3. スライダーを上下させて問題なくファスナーが開閉するのか確認して完了です。

直し方②エレメントに油をさす

金属のエレメントの場合、応急処置として油分を塗布することでスムーズにファスナーが開閉することがあります。

【用意するもの】

  • KURE 5-56(リップクリームやハンドクリームでも可)
  • 綿棒(脱脂綿やティッシュでも可)
  • 油分の製品がないときは鉛筆も可

【作業内容】

  1. 綿棒にKURE 5-56を吹きかけます。(または鉛筆の芯をエレメントの上で軽くこすります)
  2. 綿棒をエレメントに沿って何度かこすります。
  3. スライダーでファスナーが上がるか確認して下さい。

直し方③エレメントの変形を調節する

金属のエレメントの務歯が変形しているのを見つけたら、応急処置としてラジオペンチで調節してみましょう。

うまく務歯の並びをきれいに整えられたらファスナーの開閉ができるようになります。

【用意するもの】

  • ラジオペンチ

【作業内容】

  1. 変形した務歯を見つけたらその部分をラジオペンチで初めは優しくつまみます。
  2. 務歯を折らないように優しく調節します。
  3. 他の務歯と変わらずきれいに並べられたらスライダーを上下させてみます。
  4. 一時的に直ってもバッグや財布、リュックの場合はメーカーに問い合わせてファスナーの交換修理を検討して下さい。

務歯が破損しているときは応急処置ができない場合がありますので、メーカーや仕立て屋さんにすぐ問い合わせしましょう。

直し方④噛んだ布を外すためにスライダーを広げる

柔らかい裏地の付いたスカートやワンピースは無理にスライダーを引っ張ると布が破れてしまう可能性があります。

作業するときはゆっくりと優しく布を抑えながら行いましょう。

【用意するもの】

  • マイナスドライバー(または三角定規)

【作業内容】

  1. 噛んでしまった布をファスナーに対して水平方向(横方向)に軽く引っ張ります。
  2. 布を引っ張ったままスライダーを逆方向(下へ)引き、噛んだ布がスライダーから離れたら成功です。
  3. それでも布を噛んでいるときは金属のスライダーの入り口にマイナスドライバーを差し込んで少しずつ幅を広げます。
  4. 幅を広げたらスライダーを少し逆方向(下へ)引き、噛んだ布がスライダーから離れたら成功です。
  5. もし、まだ布を噛んでいたら3と4を繰りれてしまった場合の直し方屋さんにファスナーの交換修理の相談をしましょう。

直し方⑤外れたスライダーをエレメントにはめ直す

まずは、エレメントから全部スライダーが外れた時の直し方を動画でご紹介します。

次に、スライダーがエレメントの片側だけ外れた場合の直し方を動画でご紹介します。

【用意するもの】

  • ペンチ

直し方⑥スライダーの引手だけ付け替える

金属スライダーの胴体や柱は破損しておらず、引手だけ外れた、または壊れたときの応急処置を動画でご紹介します。

【用意するもの】

  • クリップ(引き上げるだけならヘアピンでも可)

この他、引手だけを100均や通販で購入することも可能です。

気に入った引手を購入しておしゃれのために付け替えるのもいいでしょう。

引手の交換方法は動画でご紹介します。

【用意するもの】

  • ペンチ
  • ラジオペンチ
  • 交換用の引手(または別なファスナー)
  • クリアファイル
  • カッター

直し方⑦背中のファスナーにチェーンを使う

背中のファスナーを上げたくても手が届かなくなって閉められなくなったという方は少なくないのではないでしょうか。

そんな時は、細い紐やチェーンを使って引き上げるのをおすすめします。

直し方⑧あて布を使って仕立て直しをする

大切な洋服はいつまでも着たいものです。しかし、体型がサイズアウトしてしまった場合、着ることが難しくなります。

もし、サイズアウトした服にあて布が付いていたら、その布を足してサイズを調整して着てみましょう。

あて布がなかった場合は、仕立て屋さんに持っていって着られるサイズの洋服にリメイクしてもらうのも良いでしょう。

正しいファスナーの閉め方

正しいファスナーの閉め方を、ファスナーの種類別にご紹介します。

①開ファスナーの正しい閉め方

開ファスナーとはスライダーが1個だけ付いた前立てに使われるタイプです。ジャンパーやパーカーに使われていることが多いファスナーです。

【正しい閉め方】

  1. スライダーを下止金または箱までしっかりと下げます。
  2. スライダーの入り口から下止金または箱まで完全に蝶棒を差し込みます。
  3. 蝶棒側を右手で押さえ、左手でスライダーの引手を引っ張り、上止金までしっかりと上げます。

【正しい開け方】

  1. 左手で引手を下に引き、下止金または箱までしっかりと下げます。
  2. 差し込まれたままの蝶棒を右手で抜き取ります。

②逆開(両開き)ファスナーの正しい閉め方

逆開(両開き)ファスナーとは、スライダーが2個付いたファスナーのことで、着丈の長いコートやフォーマルなジャケットに使われていることがあります。身近な製品にダブルジップパーカーがあります。

【正しい閉め方】

  1. 2つのスライダーを連結させたまま下止金または箱までしっかりと下げます。
  2. 長めの蝶棒を2つの連結したスライダーの一番下(最後までちゃんと)まで差し込みます。
  3. 蝶棒側を右手で押さえ、左手で上のスライダー1個の引手を引っ張り、上止金までしっかりと上げます。

【正しい開き方】

  1. 左手で2つのスライダーの引手を下に引き、下止金または箱までしっかりと下げます。
  2. 差し込まれたままの蝶棒を右手で抜き取ります。

③止ファスナーの正しい閉め方

止ファスナーとは、スライダーが1個ついており引手が下を向いているときはロックがかかって動かないファスナーのことです。ジーンズやタイトスカートに使われることが多いファスナーです。

【正しい閉め方】

  1. まず、ジーンズはトップボタン、タイトスカートは鍵ホックをしっかりと閉めます。
  2. ファスナーのスライダーの引手を上に向け、そのまま引っ張り上止金までしっかり閉めます。

【正しい開け方】

  1. ファスナーのスライダーの引手を上に向け、そのまま押し下げ下止金までしっかりと開きます。
  2. ジーンズはトップボタン、タイトスカートは鍵ホックを開きます。

ファスナーを長持ちさせる方法

普段、何気なくしていることを少し変えるだけでファスナーが長持ちするのはご存じですか。

ファスナーを長持ちさせる3つの方法をご紹介します。

洗濯するときはファスナーを閉じる

洗濯するときにファスナーを閉じてから洗濯機に入れていますか。

ファスナーを正しい方法で閉じてから洗濯機に入れると、洗濯機の遠心力に耐えやすくなったり、他の衣類に引っかかったりせずに済みます。

たったこれだけでファスナーを長持ちさせられます。

スライダーの引手を長持ちさせたい時は、ファスナーを正しい方法で閉じて、洗濯ネットに畳んで入れてから洗濯をすると良いでしょう。

ファスナーを最後までしっかり開けてから着脱する

ファスナーの正しい閉め方でもご紹介しましたが、エレメントの途中ではなく、スライダーが止金までしっかりくっついてから蝶棒を外しての着脱がファスナーを長持ちさせます。

ファスナーの正しい閉め方でもご紹介しましたが、エレメントの途中ではなく、スライダーが止金までしっかりくっついてからの着脱がファスナーを長持ちさせます。

毎回エレメントの途中で着脱していると、務歯に負担がかかって破損したり、スライダーが摩耗を起こしたりする原因になります。

物をたくさん詰めすぎない

バッグや財布、リュックのファスナーを閉める時、物を詰めすぎていることはありませんか。

たくさん物が入った状態でファスナーを閉めるとエレメントやスライダーに負担がかかります。

サイズアウトしてしまったワンピースやスカート、ジーンズも同じです。なんとか入ったからそのまま着ようとすると、ファスナーに負担がかかり破損の原因になります。

ファスナーに負担がかからない余裕を持たせて使うと長持ちします。

こんなファスナーは修理に出すべき

応急処置ではどうにもならなくなったファスナーは交換が必要です。専門店へ交換修理に出す目安をご紹介します。

テープの破損

テープの布地が裂けてしまった場合、同じ色や素材の端切れを縫い合わせて応急処置することもできますが、見た目が悪くなったり、ファスナーへ均等に力がかからなくなったり、故障の原因になることがあります。

スライダーやエレメントに不具合が出る前にファスナー全体の交換が必要です。

ファスナーを取り外した後、縫い付ける作業がありますので、裁縫の力量が必要になります。

針仕事が苦手な方は、専門店での交換修理に出すことを検討しましょう。

蝶棒がちぎれた

開ファスナーで蝶棒がちぎれ落ちてしまった場合、ファスナーを閉じることが難しくなります。

何とかスライダーに片方のエレメントを噛ませられたとしても下でしっかり止められないので、閉めたそばから開いていってしまいます。

この場合、蝶棒だけ交換することはできないので、ファスナー全体の交換が必要です。

ファスナーを取り外した後、縫い付ける作業がありますので、裁縫の力量が必要になります。

針仕事が苦手な方は、専門店での交換修理に出すことを検討しましょう。

エレメントの破損

エレメントの破損であればファスナー全体を交換する必要があります。

テープごと新しいファスナーに取り換えるので、裁縫の力量が必要とされます。

針仕事が苦手な方は、専門店での交換修理を検討しましょう。

ブランド品の正規品パーツで直したい

ブランド品のスライダーやエレメントの破損であれば、ブランド店にファスナー交換修理の持ち込みをされることをおすすめします。

ブランド品の中にはスライダーの引手にブランド名が入っていることもありますよね。

色合いや質感もブランドの持ち味なので、ファスナー交換となると似たファスナーを探すのは一苦労です。

ずっと正規品で持ち続けたい方は、購入した状態に極力近づけてくれるブランド店での交換修理を検討しましょう。

革製品を縫うミシンがない

ファスナー全体の交換が必要な革製品のブーツや財布、バッグは縫い付ける布地が厚いので、専用のミシンで縫う必要があります。

一般家庭のミシンで無理に縫っていると途中でミシンが故障する可能性もあります。

また、革製品のブーツや財布、バッグは止ファスナーが多いので、交換のために自分で取り外した後、新しいファスナーを縫い付ける裁縫の力量が必要になります。

厚い革製品のファスナー交換であれば、専門店での交換修理を検討してみましょう。

ファスナーの修理代金の相場は?

ファスナーの修理代金の相場は800円~15,000円です。

例えば、ズボンなら1,800円だったり、A4サイズまでの財布やバッグは3,000円~5,000円だったり、修理する物によって値段が異なります。

お店によっては作業費と交換したファスナー代は別にかかることもあります。

まずは修理したいファスナーの付いた現物を持ち込んで見積もりを聞いてから交換修理依頼をするのが良いですね。

ファスナーの豆知識:ファスナーとチャックとジッパーの違い

この記事ではファスナーという名称を使いましたが、チャックもジッパーも同じ意味の言葉なので、どれを使っても間違いではありません。

概ね、世界各国で通用する呼び名はファスナーとなっています。

ジッパーはアメリカで通用する呼び名で、チャックは日本のみ通用する呼び名です。1927年に尾道で「巾着(きんちゃく)」からもじった「チャック印」としてファスナーを売り出し、評判となったのが始まり。

ファスナーのなるほど

その後、チャック印の「印」だけとれた「チャック」という呼び名が日本で定着しました。

ちなみに、中国語圏ではファスナーを「ラーリェン」と呼びますし、フランスでは「フェルメチュール・ア・グリシェール」、中米諸国では「シェレス・レランパゴス」と呼ぶのです。この他、ドイツでは「ライスフェアシュルース」、イタリアでは「キウズーレ・ランポ」と呼びます。

ファスナーが世界に普及して、その土地柄の呼び名で使われているのですね。

ファスナー(チャック)が閉まらない原因と直し方まとめ

金属のファスナー(チャック)が閉まらない原因は主に以下の7つです。

  1. スライダーの摩耗
  2. エレメントの変形や破損
  3. スライダーが布を噛んだ
  4. スライダーが外れた
  5. スライダーの引手が外れた
  6. 体が硬くなって引手に届かない
  7. サイズが合わなくなった

金属のスライダーやエレメントに不具合があったときに閉まらなくなりましたね。

ペンチで緩みや変形を調節したり、金属のエレメントに油分を塗布したり、取れた引手の代わりにクリップを付ける応急処置をご紹介してきました。

あくまで一時的な応急処置だったので、長い目で見ると使えなくなるのにそう時間はかからないでしょう。

一時的に使えている間に、ファスナーの交換修理を検討して下さい。

ファスナーの交換修理にかかる費用の相場は800円~15,000円です。例えば、ズボンなら1,800円だったり、A4サイズまでの財布やバッグは3,000円~5,000円だったり、修理する物によって値段が異なります。

まずは、修理したい現物を持ち込んで見積もりを聞いてからどこの専門店に出すか決めると良いでしょう。

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